第15話 お夜食を作ろう
文字数 1,011文字
ミリンにしては珍しい大声。
みんな無事だって！ シナモンも無傷。
思ったより早く、２２時頃戻れそうだって。
笑顔で厨房で動き出すゴマ、クローブ、ヒノキ。
あの、お手伝いします。
ありがとう。
今夜は簡単におにぎりと豚汁の夕飯にするんだ。
豚汁の野菜を切ってもらおうかな。
おにぎりの具は、梅干し、昆布、明太子、あとなにがいいかな？
シナモンの好物って、鰹のタタキと焼き鳥のネギマだっけ？
そうそう、爺さんくさいものが好きなのよね。
イカ焼きとか砂肝とかモツ煮とか。(笑）
今日のおかずは……っと、キュウリとナスの漬け物しか無いな。
だし巻き卵でも作るか。
卵焼き、甘くしてください！
ビオラとルクリアは、豚汁に入れる野菜の準備をする。
ルクリアさん、ゴボウのささがきが揃っていてキレイ。
本当だ、すごいなルクリア。さすが元技能実習生、手先が器用だな。
……野菜もっと持ってきて、全部切るよ。
夜１０時を回って、賑やかにメンバー達が帰ってくる。
ただいまー！ やっぱ陸の上はいいぜ。
無事帰ってきました～みんな心配かけてごめーん。
あーいい匂いがする～お腹空いた～
おかえりシナモン、夕飯はおにぎりと豚汁とちょっとしたものしかないんだ。
今度、シナモンの好物作るからね。
いやいやいや、白飯がなによりのご馳走さ。贅沢言ったらバチが当たっちまうわい。
（緊張がほぐれて思わず祖父キャラが出てきてしまっているけど、本人、気がついていない）
（出た、疲れたときに出てくる、シナモンの爺さんキャラ）
（シナモン恒例、油断したときに現れる爺さんキャラだ）
（ギャップがウケる。本人は爺さんキャラ、バレていないつもりなのよね）
ふと、メンバーの中にジンジャーが自然に溶け込んでいるのを見て驚愕し、慌てふためくクローブ。
（小声で焦りまくりながら）
ね、ね、どうして、どうしてジン様がいるのよっ。
少しここでお休みしたいんだって。
どうしてこうなったのかは……よくわかんねえ。
今までごめんね。もうセージとは無関係だよ。解雇されちゃったし（笑）
マネージャーには少し休養するって連絡したんだ。
みんなで手を洗って、和気あいあいと食堂のテーブルにつく。
（だめ、緊張して見られない）
（『７人の地面師』見てファンクラブ入ったって言おうかな、どうしよう）
（『７人の相続人』の聖地巡礼したって言ったら引かれるかな）
（アコギ！ アコースティックギター搬入しなくちゃ）
（あぁぁ～、ナツメグとビオラちゃんの間に座っちゃった……）
