第25話 ヒイラギ先輩をお招きして

文字数 743文字

ゲート向こうからデイパックを肩に提げ、仏頂面で歩いてくるヒイラギ。

サンショウが小走りで出迎える。

こんにちは、ヒイラギさん、ここまで遠かったですか?
そんなでも無かったよ。


サンショウ君、今回は、あ、あの、ありがとな。

平民の俺なんかから馴れ馴れしくされると、正直ムカつきますか?
いや、そんなことは無いから。

リコリスの奴、連絡くれないからさ……


(ボソッと)助かったよ、俺、サンショウ君は接しやすい。

俺も、最初お目にかかったときから他人とは思えません。

ヒイラギ先輩と呼ばせてください!

男子メンバーもワラワラ集まってきた。

前回、シナモン奪還時に待機組だったメンバーに、ヒイラギの説明をするコウジ。

あいつがヒイラギ。元リコリスのご主人様、今やリコリスにストーカー中。
いくら上級州国民の孫といえども、人の心までは支配できないか。
確かにサンショウにちょっと似ている(笑)
ヒイラギってさ、はっきり言って正直なんだよ。

リコリスとヤリたいってのを隠さないんだ。


お高い上級州国民の孫にしては、俺はわりと憎めないっていうか、面白い奴だと思うんだ。

でもさ、あいつらが怒り心頭でさ……

おい、サンショウ! 説明しろ。
ちょっと、何しに来たのよ。リコリスは渡さないからね!
リコリスを避難させてくる!
大丈夫、いざとなったらゴキブリ先輩が駆けつけるから。
あ、そうか。
俺がお招きしたのだ。シナモン奪還の時、ちゃんとお礼が言えなかっただろ? 


シナモン? どうだ?

確かにそうだ! あの時はありがとうございました。

(深々と頭を下げる)


ほら、シナモンも一緒に。お礼して。

ありがと、ござい、まし、た。グヌヌ、屈辱。
辺りを見回し、そわそわするヒイラギ。

その時公民館からリコリスとビオラが出てきた。


リコリスを見つけ、息を飲み赤くなるヒイラギ。

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