第20話 ブバリア奇襲
文字数 801文字
おぼろ月夜の薄明かりの中、ルクリアが東屋に近づいてくる。
そして東屋の屋根の上に誰かが降り立つ音、小鳥にように。
上空、ブバリアの生体信号をキャッチしたコウジが、小型デバイスを手に公民館から飛び出してくる。
続く男子メンバー。ゴマも愛用のボーガンを携えている。
すぐにスキルが発動できるよう、スッと立ちポーズを決めるバジル。
アンチブースターの構えをするビオラ。
かたわらでナツメグも剪定鋏をスタンバイ。
『条件変更(リスケジュール)』の呪文を確認するシナモン。
ささやくリコリス。
東屋の屋根の上にて、
ルクリアがゆっくり指さしたのは、ビオラとリコリスだった。
リアルな人選に、場が凍りつく。
言葉の途中でブバリアは微かなうめき声を漏らした。
そしてそれっきりブバリアは消えたのだ。自分をピックアップし退散したと思われた。
東屋の下にいたメンバーは何が起こったのか、まったく検討がつかなかった。
リコリスを除いては。
なにが起きたのか、月明かりの下目撃していた男子メンバー達の答え合わせは、次の次の回で。