第21話 ルクリアの大切な思い出は?

文字数 892文字

一部始終を見ていたルクリアは、すぅっと息を飲んだ。

工作(マイクラ)で手にしていたプラモデルの飛行機を展開させようとしたとき、バジルが魔方陣(ポリゴン)発動。


ルクリアを閉じ込めた。

もう私達に関われないよう、縁切りするよ。

ブバリアもさっき土壇場で切った。

え? と言う顔をするルクリア。
念のため、私達と場所の記憶も『構成(ネーム)』で上書きするわね。

ここでの記憶は全消しに。

待って!!
どうしたんだよ、当然だろ?
ここの記憶は消さないで。
この場所を記憶されると困るのよ、あと私達の存在も。
消して欲しくないものがある。
なんの記憶を消して欲しくないの?
自分のことかと緊張する、バジル、コウジ、ミリン、ビオラ……
ゴマ、ゴマの作るご飯、東屋。
びっくりするゴマ。
え? 俺?
ご飯と東屋だけ残してあとを消すのって無理なんだけど。
ちょっとルクリア! 私の歌は残さなくていいの!?
確かにルクリアって、食べているときが一番幸せそうだった。

特に甘いもの。

『東屋』って言っているけど、東屋を一緒に作った記憶だよな? 楽しかったもんな!
州国語は難しいですからね(苦笑)
(真っ先に名前をあげてもらって嬉しくなったゴマ)

そっか、そうなんだ。

あと、甘いミルク。
はいはい、サフラン先生ね。もう食べ物ばっかり。

(呆れたようにため息)

僕、失敗したね。
そうだな、任務失敗で運営からペナルティか?
違う。最初から裏切るつもりでここに来たけど、運営やブバリア無視してやめればよかった。


金じゃゴマのご飯は買えない、今気づいた。

おまえ食い意地張っていると思っていたけど、相当だな。


もしまた俺の飯食いたくなったらさ、運営と取り交わした同意書のチェック外して破棄してから来いよ。

……わかった!
小型飛行機で去って行くルクリア。

ゴマが即席で作ったおにぎりと、甘い卵焼きのお弁当を持って。

バジル、裏切られてショック受ける予定だったのにな(笑)
なんかもう、失礼しちゃう。


ゴマの料理に負けるなんて、別の意味でショックよ。

私だって、ブバリアから狙われているのは自分だけだと勘違いして恥ずかしい……


ブバリアのお目当ては、リコリスとビオラちゃんだったとは(真っ赤)

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