第2話 アクアリウム仕立てのリゾートホテル

文字数 768文字

青い光と波が揺らめく応接間。

アクリル硝子の向こうの半水面の水槽には、水草と色とりどりの魚たちが回遊する。

天窓から差し込む日の光。まるで水族館の一部のような、豪華なホテルの一室。


シナモンの目の前のソファーにはセージとジンジャー。

部屋の隅にはビターチョコレートの面々。

子猫ちゃん、鬼ごっこ楽しかったよ。


やっと罠にかかってくれたね。

前から言おうと思っていたけど、いい年して喋り方キモい。


子猫ちゃんとか……勘弁して欲しい。私は犬派だ。

(あれ? イメージと違う)
ご機嫌ななめかな?
ななめかな? じゃないよ。誰のせいだ。ここどこだよ。
内緒、秘密のミーティングルームです。

君たちはカンファレンスって言うんだってね。

そんなの見りゃわかるよ。場所を聞いているんだよ。なんか話通じないんだよな。早く言え。
(迫力負けして)え、あ、リゾートホテル。
だからどこの。何県何市何町?
子猫ちゃんお腹空いてイライラしているのかな? 食事を用意しますか?
ああ、そうだな、ちょっと和食で軽いものがいいな。
(なんか新鮮、面白い。セージがまごつくところなんて滅多にみられない)
仲居さんがセージ、ジンジャー、シナモンの前に会席料理を次々と運ぶ。
こんなに食べられるかな。


(ビターチョコレートの面々を親指で指して)あの子達にも用意してあげなよ。

可愛がっているんだろ?

ビターチョコレートの面々の前にも会席料理が並べられる。

食欲が無いらしく、少ししか手を付けない3人。

そういえば私をピックアップした男はどうした?
(少しムッとし出して)君に全部答える必要はない。
あははッ、犯罪者のクセに生意気。


(鰻の白焼き、ハモの唐揚げを平らげ、肝吸いを飲みながら)

質問の続き、ここの場所は?

もう、うるさいうるさいうるさい! おバカキャラじゃなかったの!?


君なんて検品完了したら、センター長に用済み廃棄だ!

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色