第17話 小沢一郎の選挙カーに手を振るみーちゃん
文字数 964文字
今日のみーちゃんは選挙の応援です。
中曽根康弘首相が絶対にしないと言っていたのに、急に衆議院を解散して、参議院と一緒に選挙することになります。総理大臣がウソをつくのはいけないんじゃないかなと思ってお父さんに聞くと、「解散のことはいいんだ、あれは死んだふりをしていただけだから」と教えてくれます。
みーちゃんは選挙カーが大好きです。手を振ると、子どもでも「ありがとうございます!」と言って手を振り返してくれるからです。それに、いい大人なのに、同じことを繰り返していてとてもおもしろいのです。
みーちゃんのうちのとなりにある千田商店の前に金田くんと原田くんとみつ子ちゃんといたら、「ありがとうございます!」というスピーカーの女の人の声が近づいてきます。
──来た、来た、選挙カーだ!
「ねえねえ、手をふろうよ」。
そうみーちゃんが言うと、金田くんが聞いてきます。
「どうして?」
「手をふると手をふってくれるんだよ」。
「子どもでも?」
みつ子ちゃんがまゆ毛を下げながら、そうたずねるので、みーちゃんは胸をはって答えます。
「もっちろん!だって、選挙なんだから、みんなによく思われたいでしょ?」
「じゃあ、みんなで手をふろうよ」。
そう原田くんが言います。
「ありがとうございます!『おざわいちろう』、『おざわいちろう』です!がんばっています!『おざわいちろう』、『おざわいちろう』です!よろしくお願いいたします!」
選挙カーが目の前を通るときに、みーちゃんはみんなと一緒に手を振ります。
「あ、ご声援ありがとうございまーす!ありがとうございます。がんばります!」
選挙カーの屋根についている大きな写真がみーちゃんの目に入ります。
──「小沢一郎」って、あれ?あのおじさん、ジャイアンに似てる。
「ほんとだ、おっもっしぇなあ。あ、おれ、もっと手ふっちゃお」。
──え?選挙権ないのに、なんでそんなにがんばっちゃうわけ?
金田くんが自転車に飛び乗り、左手だけでハンドルをにぎり、右手を大きく振って、選挙カーを追いかけていきます。
「ぼくー、ありがとう!でも、あぶないから、あまり無理しないでねー!」
そう金田くんは選挙カーから注意されてしまいます。
──ほらね。
子どもは子どもらしく選挙を見つめるのがいいと思うみーちゃんなのです。
中曽根康弘首相が絶対にしないと言っていたのに、急に衆議院を解散して、参議院と一緒に選挙することになります。総理大臣がウソをつくのはいけないんじゃないかなと思ってお父さんに聞くと、「解散のことはいいんだ、あれは死んだふりをしていただけだから」と教えてくれます。
みーちゃんは選挙カーが大好きです。手を振ると、子どもでも「ありがとうございます!」と言って手を振り返してくれるからです。それに、いい大人なのに、同じことを繰り返していてとてもおもしろいのです。
みーちゃんのうちのとなりにある千田商店の前に金田くんと原田くんとみつ子ちゃんといたら、「ありがとうございます!」というスピーカーの女の人の声が近づいてきます。
──来た、来た、選挙カーだ!
「ねえねえ、手をふろうよ」。
そうみーちゃんが言うと、金田くんが聞いてきます。
「どうして?」
「手をふると手をふってくれるんだよ」。
「子どもでも?」
みつ子ちゃんがまゆ毛を下げながら、そうたずねるので、みーちゃんは胸をはって答えます。
「もっちろん!だって、選挙なんだから、みんなによく思われたいでしょ?」
「じゃあ、みんなで手をふろうよ」。
そう原田くんが言います。
「ありがとうございます!『おざわいちろう』、『おざわいちろう』です!がんばっています!『おざわいちろう』、『おざわいちろう』です!よろしくお願いいたします!」
選挙カーが目の前を通るときに、みーちゃんはみんなと一緒に手を振ります。
「あ、ご声援ありがとうございまーす!ありがとうございます。がんばります!」
選挙カーの屋根についている大きな写真がみーちゃんの目に入ります。
──「小沢一郎」って、あれ?あのおじさん、ジャイアンに似てる。
「ほんとだ、おっもっしぇなあ。あ、おれ、もっと手ふっちゃお」。
──え?選挙権ないのに、なんでそんなにがんばっちゃうわけ?
金田くんが自転車に飛び乗り、左手だけでハンドルをにぎり、右手を大きく振って、選挙カーを追いかけていきます。
「ぼくー、ありがとう!でも、あぶないから、あまり無理しないでねー!」
そう金田くんは選挙カーから注意されてしまいます。
──ほらね。
子どもは子どもらしく選挙を見つめるのがいいと思うみーちゃんなのです。