第34話 ピアノ教室のみーちゃん
文字数 1,248文字
今日のみーちゃんはピアノ教室です。
みーちゃんはピアノ教室に毎週土曜日に通っています。
みーちゃんがピアノを始めた理由は、お兄ちゃんのなーちゃんが習っていたからです。小学校に入学した頃にお母さんに頼んで同じ教室に通うことになります。
なーちゃんんは坂本龍一の大ファンです。レコードを持っているだけではありません。坂本龍一がパーソナリティをしているNHK FMの『サウンドストリート』も欠かさず聞いて、録音しています。なーちゃんはいろんな影響を受けていて、ヘアースタイルやファッションも坂本龍一を意識しています。
ピアノ教室はゆーちゃんのお父さんが経営する本屋さんにあります。売り場を抜けて、関係者以外立ち入り禁止のドアを開けて奥に少し進むと、そこが教室です。
みーちゃんはマンガが大好きです。本屋さんのピアノ教室ですから、帰りに立ち読みができるのも楽しみの一つです。
ピアノの先生はゆーちゃんのお祖母ちゃんです。少したれ目で、いつもにこにこしていてやさしく話してくれます。
ゆーちゃんも、もちろん、ピアノを習っています。ゆーちゃんはクラスの人気者で、みーちゃんも大好きです。ピアノ教室でゆーちゃんに会えるのもうれしいのです。
みーちゃんは予約の時間よりいつも少し早く教室に来ます。あいさつをして教室に入ると、先生がカワイのアップライトのピアノで生徒に指導しています。先生は振り向いて、「はい、こんにちは。椅子に座って待っててくださいね」とやさしく話してくれます。みーちゃんは並んで置いてある丸い椅子に座って順番を待つのです。
今日はみーちゃんんの同級生ののぞみちゃんが先に来て順番を待っています。みーちゃんが隣に座ると、のぞみちゃんが話しかけてきます。のぞみちゃんはとってもおしゃべりな人です。
──こんなにしゃべったら、ピアノのじゃまにならないかな~。
そうみーちゃんは思いましたが、のぞみちゃんはおかまいなしです。みーちゃんもおしゃべりが嫌いではありません。2人で盛り上がってしまいます。
「はい、今日はこれまでにしましょう。よく練習してきましたね。来週はこの曲をもっと滑らかに弾けるように練習してきてください。この曲は難しいですから、できなくてもあきらめずに頑張ってみてくださいね」。
そう言って立ち上がり、のぞみちゃんを呼びにみーちゃんの傍にやって来ます。
「えーと、次はのぞみさんですね?そして、その次がみーちゃんですね?」
「はい」とのぞみちゃんとみーちゃんがそろって答えると、先生がみーちゃんの手に目をとめます。
「あら?あらー、みーちゃん、指がきれいね!とってもきれいな指をしてるのね!あら~、あんまりピアノの練習をしてないのね~」。
そうにこにこと言う先生の指を見ると、おばあちゃんなのに指が太く、間接が盛り上がって、たくましい感じです。きゃしゃな白魚のような指ではありません。
──えへ、ばれちゃってる~。
うまくなることよりも、ピアノを社交と考えているみーちゃんなのです。
みーちゃんはピアノ教室に毎週土曜日に通っています。
みーちゃんがピアノを始めた理由は、お兄ちゃんのなーちゃんが習っていたからです。小学校に入学した頃にお母さんに頼んで同じ教室に通うことになります。
なーちゃんんは坂本龍一の大ファンです。レコードを持っているだけではありません。坂本龍一がパーソナリティをしているNHK FMの『サウンドストリート』も欠かさず聞いて、録音しています。なーちゃんはいろんな影響を受けていて、ヘアースタイルやファッションも坂本龍一を意識しています。
ピアノ教室はゆーちゃんのお父さんが経営する本屋さんにあります。売り場を抜けて、関係者以外立ち入り禁止のドアを開けて奥に少し進むと、そこが教室です。
みーちゃんはマンガが大好きです。本屋さんのピアノ教室ですから、帰りに立ち読みができるのも楽しみの一つです。
ピアノの先生はゆーちゃんのお祖母ちゃんです。少したれ目で、いつもにこにこしていてやさしく話してくれます。
ゆーちゃんも、もちろん、ピアノを習っています。ゆーちゃんはクラスの人気者で、みーちゃんも大好きです。ピアノ教室でゆーちゃんに会えるのもうれしいのです。
みーちゃんは予約の時間よりいつも少し早く教室に来ます。あいさつをして教室に入ると、先生がカワイのアップライトのピアノで生徒に指導しています。先生は振り向いて、「はい、こんにちは。椅子に座って待っててくださいね」とやさしく話してくれます。みーちゃんは並んで置いてある丸い椅子に座って順番を待つのです。
今日はみーちゃんんの同級生ののぞみちゃんが先に来て順番を待っています。みーちゃんが隣に座ると、のぞみちゃんが話しかけてきます。のぞみちゃんはとってもおしゃべりな人です。
──こんなにしゃべったら、ピアノのじゃまにならないかな~。
そうみーちゃんは思いましたが、のぞみちゃんはおかまいなしです。みーちゃんもおしゃべりが嫌いではありません。2人で盛り上がってしまいます。
「はい、今日はこれまでにしましょう。よく練習してきましたね。来週はこの曲をもっと滑らかに弾けるように練習してきてください。この曲は難しいですから、できなくてもあきらめずに頑張ってみてくださいね」。
そう言って立ち上がり、のぞみちゃんを呼びにみーちゃんの傍にやって来ます。
「えーと、次はのぞみさんですね?そして、その次がみーちゃんですね?」
「はい」とのぞみちゃんとみーちゃんがそろって答えると、先生がみーちゃんの手に目をとめます。
「あら?あらー、みーちゃん、指がきれいね!とってもきれいな指をしてるのね!あら~、あんまりピアノの練習をしてないのね~」。
そうにこにこと言う先生の指を見ると、おばあちゃんなのに指が太く、間接が盛り上がって、たくましい感じです。きゃしゃな白魚のような指ではありません。
──えへ、ばれちゃってる~。
うまくなることよりも、ピアノを社交と考えているみーちゃんなのです。