第50話 高校の文化祭に行ったみーちゃん
文字数 1,249文字
今日のみーちゃんは高校の文化祭に来ています。
この週末、小兄ちゃんのなーちゃんが通っている高校で文化祭があります。それは「黒陵祭(こくりょうさい)」と言います。お祖父ちゃんと一緒に土曜日に行くことにします。
校門から校舎迄は軽い傾斜の上り坂が100メートル.近く続きます。青空が広がり、秋だと言うのに、校舎に着いた時には汗ばんできます。校舎と体育館をつなぐ通路に臨時の来客用出入り口が用意されています。
体育館からギターやドラムの激しい音とボーカルのシャウトが聞えてきます。
スリッパを履いて、脱いだ靴をビニール袋に入れます。それを手に持ち、受付に行き、お祖父ちゃんが名前と来た理由を書いて、パンフレットを受けとります。
1階は校長室や職員室、保健室しかないので、階段を登って2階に行きます。
──結構、混んでるな~。
小中学生が廊下に20人以上いて、教室をのぞきこんだり、出入りしたりしています。お母さんくらいの女の人も数人見えます。他に、そりの入った髪型で赤いカーディガンの袖をしばって首に巻き、白いズボンを履いたツッパリ2人が短ランにボンタンの高校生と笑いながら、話しています。
なーちゃんのクラスはお化け屋敷です。
教室の前に行くと、普通の制服姿の男の人が2人立っています。お祖父ちゃんが2人に声をかけ、「いつも孫が世話になって・・・」とあいさつを始めます。それを聞くと、「ああ、なーちゃんのお祖父さんと妹さんですか?いやー、そんなこともないっす。それより、どうぞ、どうぞ中へ入って楽しんでください」と言ってドアを開けてくれます。
お祖父ちゃんは外で待ち、みーちゃんが一人でお化け屋敷に入ることにします。みーちゃんはお祖父ちゃんに靴の入ったビニール袋を預けて、教室の中に足を踏み入れます。
──なんか湿っぽいな~、暗いし、なんか怖~いよ~。
みーちゃんは怪談や怖い話が苦手です。お化けはもちろん、大嫌いです。おどろおどろしい効果音が聞こえてきます。
みーちゃんはもうべそをかいています。歩き始めて最初の角を前にします。
──あの角に何かいる。絶対にいる。おどかそうとしてる!見え見えだよ、わかる!行きたくないよー。
「わ~!」
──ほら!やっぱり出た!
みーちゃんはとっさにパンフレットを飛び出してきたものに投げつけます。
「痛~!」
お化けが悲鳴をあげましたが、みーちゃんはそれどころではありません。
「怖いよー!」
みーちゃんは大爆発しています。一つ目小僧がよって来て、みーちゃんをなだめ始めます。
「わかった、わかった、そんなに泣かなくても、いいから。大丈夫だよ」。
けれども、みーちゃんの耳には届きません。一つ目小僧はしゃがんでやさしくささやきかけます。
「じゃあさ、こうしよう。出口までおれが手を引いて連れてってやるから。それなら大丈夫だろ?」
みーちゃんは鼻をすすりながら、手を一つ目小僧に差し出します。
一つ目小僧に手を引かれてお化け屋敷の出口に向かうみーちゃんなのです。
この週末、小兄ちゃんのなーちゃんが通っている高校で文化祭があります。それは「黒陵祭(こくりょうさい)」と言います。お祖父ちゃんと一緒に土曜日に行くことにします。
校門から校舎迄は軽い傾斜の上り坂が100メートル.近く続きます。青空が広がり、秋だと言うのに、校舎に着いた時には汗ばんできます。校舎と体育館をつなぐ通路に臨時の来客用出入り口が用意されています。
体育館からギターやドラムの激しい音とボーカルのシャウトが聞えてきます。
スリッパを履いて、脱いだ靴をビニール袋に入れます。それを手に持ち、受付に行き、お祖父ちゃんが名前と来た理由を書いて、パンフレットを受けとります。
1階は校長室や職員室、保健室しかないので、階段を登って2階に行きます。
──結構、混んでるな~。
小中学生が廊下に20人以上いて、教室をのぞきこんだり、出入りしたりしています。お母さんくらいの女の人も数人見えます。他に、そりの入った髪型で赤いカーディガンの袖をしばって首に巻き、白いズボンを履いたツッパリ2人が短ランにボンタンの高校生と笑いながら、話しています。
なーちゃんのクラスはお化け屋敷です。
教室の前に行くと、普通の制服姿の男の人が2人立っています。お祖父ちゃんが2人に声をかけ、「いつも孫が世話になって・・・」とあいさつを始めます。それを聞くと、「ああ、なーちゃんのお祖父さんと妹さんですか?いやー、そんなこともないっす。それより、どうぞ、どうぞ中へ入って楽しんでください」と言ってドアを開けてくれます。
お祖父ちゃんは外で待ち、みーちゃんが一人でお化け屋敷に入ることにします。みーちゃんはお祖父ちゃんに靴の入ったビニール袋を預けて、教室の中に足を踏み入れます。
──なんか湿っぽいな~、暗いし、なんか怖~いよ~。
みーちゃんは怪談や怖い話が苦手です。お化けはもちろん、大嫌いです。おどろおどろしい効果音が聞こえてきます。
みーちゃんはもうべそをかいています。歩き始めて最初の角を前にします。
──あの角に何かいる。絶対にいる。おどかそうとしてる!見え見えだよ、わかる!行きたくないよー。
「わ~!」
──ほら!やっぱり出た!
みーちゃんはとっさにパンフレットを飛び出してきたものに投げつけます。
「痛~!」
お化けが悲鳴をあげましたが、みーちゃんはそれどころではありません。
「怖いよー!」
みーちゃんは大爆発しています。一つ目小僧がよって来て、みーちゃんをなだめ始めます。
「わかった、わかった、そんなに泣かなくても、いいから。大丈夫だよ」。
けれども、みーちゃんの耳には届きません。一つ目小僧はしゃがんでやさしくささやきかけます。
「じゃあさ、こうしよう。出口までおれが手を引いて連れてってやるから。それなら大丈夫だろ?」
みーちゃんは鼻をすすりながら、手を一つ目小僧に差し出します。
一つ目小僧に手を引かれてお化け屋敷の出口に向かうみーちゃんなのです。