第57話 お母さんにケーキを作ってもらうみーちゃん
文字数 1,135文字
今日のみーちゃんはお母さんにケーキを作ってもらいます。
1週間前、みーちゃんはゆーちゃんのお誕生日会にお呼ばれします。10月20日は月曜日なので、前の日ですが、日曜日にすることになります。そのとき、ゆーちゃんのお母さんの手作りのケーキでお祝いをしています。
ゆーちゃんのお母さんは料理が上手です。ホットケーキだって、ホットケーキミックスじゃなく、小麦粉やベーキングパウダーから作っちゃうんです。
イチゴやキューイーフルーツが上にのっていて、生クリームがアンデルセンで売っているケーキのように飾られています。おまけに、ケーキのまんなかに「Happy Birthday」ってチョコレートで書いてあるんです。
フォークをケーキに入れると、ふんわりとして、押し返されそうです。一口食べただけで、新鮮な卵の味が口の中いっぱいに広がります。
──おいしい!ゆーちゃんのお母さん、すごーい!ゆーちゃん、いいなあ。でも、ケーキって自分のうちで作れるんだ。今度、うちでもお母さんにつくってもらおっと。
みーちゃんはうちに帰ると、さっそくお母さんにスポンジケーキを作ってってお願いします。うちにはケーキの型がないからスポンジケーキはできないけど、ロールケーキなら今度の日曜日に焼いてあげると約束してくれます。
お母さんは電子レンジを買ったときについてきたレシピをひろげ、ちょっとこわい顔をして、何回も読み返しながら、台所でなにやらすごい音をさせています。
「は~い、お待ちどうさま。できたわよ」。
お母さんがテーブルにケーキを運んできます。でも、みーちゃんの前に置かれたケーキは想像していた姿とだいぶ違います。まるで大きなクッキーです。
「これ、ロールケーキ・・・だよね?」
「そうよ~」。
「でも、ぜんぜんふくらんでいない。これじゃあ巻けないよ。ロールケーキじゃない」。
「だったら、こうすれば大丈夫よ~」。
おかあさんは台所から包丁を持ってきて、ケーキを切り、重ねます。
「ほ~ら、3段重ね、豪華でしょう?」
フォークで切ろうとすると、ぜんぜんふっくらとしていません。やっぱりクッキーみたいです。とにかく一切れ口に入れてみることにします。
「ぜんぜん甘くない」。
ボソボソするだけでちっともおいしくありません。どう考えても、甘みのないクッキーです。
「だったら、こうすれば大丈夫よ~」。
お母さんは冷蔵庫から小岩井のイチゴジャムをとり出します。グレープ・フルーツ用のギザギザのついたスプーンでケーキの上にジャムをたっぷりとのせます。
「こうやってトッピングして食べるのよ。ほ~ら、おしゃれでしょう?」
もうケーキを作ってなんてお母さんに言わないぞとかたく心に誓ったみーちゃんなのです。
1週間前、みーちゃんはゆーちゃんのお誕生日会にお呼ばれします。10月20日は月曜日なので、前の日ですが、日曜日にすることになります。そのとき、ゆーちゃんのお母さんの手作りのケーキでお祝いをしています。
ゆーちゃんのお母さんは料理が上手です。ホットケーキだって、ホットケーキミックスじゃなく、小麦粉やベーキングパウダーから作っちゃうんです。
イチゴやキューイーフルーツが上にのっていて、生クリームがアンデルセンで売っているケーキのように飾られています。おまけに、ケーキのまんなかに「Happy Birthday」ってチョコレートで書いてあるんです。
フォークをケーキに入れると、ふんわりとして、押し返されそうです。一口食べただけで、新鮮な卵の味が口の中いっぱいに広がります。
──おいしい!ゆーちゃんのお母さん、すごーい!ゆーちゃん、いいなあ。でも、ケーキって自分のうちで作れるんだ。今度、うちでもお母さんにつくってもらおっと。
みーちゃんはうちに帰ると、さっそくお母さんにスポンジケーキを作ってってお願いします。うちにはケーキの型がないからスポンジケーキはできないけど、ロールケーキなら今度の日曜日に焼いてあげると約束してくれます。
お母さんは電子レンジを買ったときについてきたレシピをひろげ、ちょっとこわい顔をして、何回も読み返しながら、台所でなにやらすごい音をさせています。
「は~い、お待ちどうさま。できたわよ」。
お母さんがテーブルにケーキを運んできます。でも、みーちゃんの前に置かれたケーキは想像していた姿とだいぶ違います。まるで大きなクッキーです。
「これ、ロールケーキ・・・だよね?」
「そうよ~」。
「でも、ぜんぜんふくらんでいない。これじゃあ巻けないよ。ロールケーキじゃない」。
「だったら、こうすれば大丈夫よ~」。
おかあさんは台所から包丁を持ってきて、ケーキを切り、重ねます。
「ほ~ら、3段重ね、豪華でしょう?」
フォークで切ろうとすると、ぜんぜんふっくらとしていません。やっぱりクッキーみたいです。とにかく一切れ口に入れてみることにします。
「ぜんぜん甘くない」。
ボソボソするだけでちっともおいしくありません。どう考えても、甘みのないクッキーです。
「だったら、こうすれば大丈夫よ~」。
お母さんは冷蔵庫から小岩井のイチゴジャムをとり出します。グレープ・フルーツ用のギザギザのついたスプーンでケーキの上にジャムをたっぷりとのせます。
「こうやってトッピングして食べるのよ。ほ~ら、おしゃれでしょう?」
もうケーキを作ってなんてお母さんに言わないぞとかたく心に誓ったみーちゃんなのです。