第112話 プランB
文字数 1,135文字
猫の視力はあまりよくないから、離れているとよく見えない。
メデアとイソルダは骨組みの上を小走りで移動し、道の途中で二手に分かれる。
メデアはトウのいるほうへ、
イソルダはリャクのほうへ、
足場の広い金属板に跳び乗ると、わき目もふらずに走っていく。
イソルダの向かう先には、リャクがいる。
ちょうど対戦相手のミミにふっ飛ばされたところだった。
ミミのタックルではじき飛ばされたリャクの体が、床に当たってポーンと跳ねる。
リャクはあまりの悔しさに身を震わせる。
けれども蓄積したダメージが影響してか、容易に立ち上がることができない。
そこへイソルダが駆けつける。
俺は謎のアイテムの正体を確かめるため、細いパイプから別の骨組みへとジャンプした。グイッと首を伸ばし、イソルダのほうへ身を乗り出す。
じっと目を凝らすと、かろうじてリャクのそばに置かれたモノが判別できた。
イソルダが置いたのは、細長くて小さい棒状のモノだった。
けれど、その棒が何なのかは謎のままだ。
リャクはその謎の棒にかじりついた。
バキバキバキッ!
ものすごい速さで棒の先端を噛み砕いていく。
ふいに鼻腔をくすぐる臭気が漂ってきた。
マタタビの木は、たいして珍しくもねぇ。
森に行けば、生えているのを目にすることもある。
マタタビを摂取したリャクは、血管が破裂しそうな勢いで
まるで
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