めぐみ坂の春祭
文字数 3,421文字
大森清陵会編著
教会では復活祭が祝われ、人々は心を清めるために集まっていた。
厳かな雰囲気の中、聖書の章や詩を読み、讃美歌を歌う。
その後の説教では、復活の意味について考えを巡らせた。
と、聖が微笑む。
聖書の文字は小さく、時には読みにくい事もあるが、ウルスラが用意した眼鏡を掛ける事で、聖の読書がスムーズになった。
と、ウルスラが微笑んだ。
彼女達は、新たな季節と共に、心を清める旅を続けてゆくのだった。
2684(共和六)年の春、武蔵野荏原台地にある、長栄山の寺院に向かう私と十三宮
仏像に水を掛け、神仏に祈りを捧げる十三宮仁の姿は、静かな中にも厳かな雰囲気を漂わせていた。
その中で、人類の叡智を結集した経典がこの寺院で読誦されている事を思い出し、感慨深い気持ちになった。
会場には、明るい雰囲気が広がっていた。
と顯が答えると、十三宮仁も微笑みながら頷いた。
そんな中、十三宮仁の視線が屋台の片隅にある眼鏡店の看板に向けられた。
と彼女が呟くと、私は微笑みながら肯定の意を示した。
「そうだね、仁さん。眼鏡を掛けると、お経の文字もはっきり見えるから、読むのが楽になるよ」
と私が言うと、彼女は少し考えた後、決断したように頷いた。
と彼女が言いながら、私達は歩き続けた。
長栄山の美しい風景を満喫しながら、帰路を楽しみにしていた。
長栄山を後にして、私と
その神社は太陽神や古代の大王を祀る場所で、厳かな雰囲気が漂っていた。
日差しは暖かく、春らしい陽気が心地良かった。
私が神社に向かって歩いて行くと、美保関天満は薄着で短いミニスカートを穿いた姿で、少し戸惑った様子で私に近付いて来た。
「美保関さん、その格好で参拝するのは大丈夫なの?」
私が心配そうに尋ねると、彼女は軽く笑って答えた。
彼女が、真剣な表情で質問する。
美保関天満の美しい顔立ちに、眼鏡が似合うかどうか考えるのは難しい。
しかし、その質問を真剣に受け止め、彼女の希望に応えるべく私は考え込んだ。
「美保関さん、君はどんな姿でも素敵だよ。眼鏡を掛けても、きっと似合うと思うよ」
と私が微笑みながら答えると、彼女も笑顔で頷いた。
彼女が、嬉しそうに言う。
私達は神社で手を合わせ、世界平和を願った。
美保関天満の真剣な姿勢は、私に勇気を与えるものだった。
馬込町の桜並木は、春の訪れを告げる華やかな場所だった。
妹の柊七海と一緒に、私はその美しい景色を楽しむために訪れた。
河川が流れ、桜の花が風に揺れる様子は、まさに春祭の雰囲気そのものだった。
屋台では広島風お好み焼きや今川焼、クレープなどの美味しい食べ物が並び、沢山の人達が賑やかに行き交っていた。
私達はまず、お好み焼きの屋台に向かい、熱々の鉄板で調理される様子を眺めながら、注文を待った。
「ななみん、何を食べようか考えてる?」
私が妹に尋ねると、七海は目を輝かせながら答えた。
七海が、笑顔で答える。
私も微笑みながら頷き、屋台のほうに注文を告げた。
少し待つと、熱々の今川焼が出来上がり、私達の手に渡された。
ふわふわの生地に甘い餡がたっぷり詰まっていて、その香りが口の中に広がると、思わず笑顔が零れた。
「美味しいね、ななみん。春って、こんなに楽しいんだね」
と私が言うと、七海もにっこりと笑って頷いた。
七海が、ワクワクと話す。
私達は今川焼を楽しみながら、春の予定について話し合った。
桜の花が優しく舞い散る中、新しい季節の始まりを心から楽しみながら、家族で過ごす幸せな時間を感じた。
蒲田の街は、今日も賑やかだった。
春の陽気が街中に溢れ、人々が笑顔で歩き回る中、同人誌即売会の開催が待ち遠しい一日が始まった。
私は柊七海と共に、会場へ向かった。
テーマが「眼鏡」だという事で、多くの人が眼鏡を掛けたキャラクターの同人誌やコスプレで会場を賑わせる事だろう。
七海は興奮気味に、手に持った猫耳メイドのコスプレ衣装を眺めていた。
七海が、笑顔で言う。
私は笑みを浮かべながら、七海の楽しそうな姿を見ていた。
彼女はいつも元気で、どんな状況でも前向きな考え方を持っている。
「そうだね、ななみん。そのコスプレ、きっと似合うよ。さっきから興奮してるね」
私が言うと、七海はにっこりと微笑んだ。
七海が、ワクワクと語る。
会場に到着し、私達はブースの準備を始めた。
七海は猫耳メイドの衣装を着て、眼鏡を掛け、コスプレの完成度を高めていった。
私は彼女の姿を見て、彼女の努力と情熱に感心した。
「ななみん。そのコスプレ、凄く似合ってるよ!」
私が七海を褒めると、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
七海が、胸を張って言う。
そして、待ちに待ったイベントが始まった。
多くの人がブースを訪れ、七海のコスプレに興味津々だった。
彼女は笑顔で対応し、眼鏡を掛けた猫耳メイドとして会場を盛り上げた。
やがて、イベントは終わりを迎え、桜の花弁が舞い散る中、私達は会場を後にした。
「ななみん、今日は楽しかったね。次のイベントも、一緒に頑張ろう!」
私が七海に言うと、彼女はにっこりと頷いた。
七海が、笑顔で言う。
蒲田のイベントが終わったが、私達の楽しい日々はこれからも続く。
何かが終われば、何かが始まる。
それが私達の、明るい未来だ。
この機会に、ぜひフォローして下されば幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
2024(令和六)年4月20日(土曜)
大森清陵会