笹木 詩絵楽

文字数 7,752文字

笹木(ささぎ) 詩絵楽(シエラ)

燦国侵攻戦 小悪魔の再臨

 何だか新しい出逢いがありそうな新学期の朝、通学路を往く主人公。


疲れからか不幸にも、食パンを咥えた袖無し腹見せミニスカートの美少女と正面衝突してしまう。


可哀想な冤罪を着せられ、全ての責任を背負う羽目になった主人公に対し、謎の転校生、笹木詩絵楽が提示した口止め料とは…。

 このエピソードは、朝霧白雨『烏の恋』とのコラボ企画で執筆されました!

高天原(たかまがはら)

 日本の神々らが住む天道界、高天原


ここには、地上世界の人間達よりは偉いが、人間と似たような感情・欲望を持った天神族が暮らしている。

「…あ~あ、暇だわ~」

 そんな天上界の片隅で、やや高級そうなベッドに寝転びながら、永遠に携帯電話を弄り続けている天使(ニート)が居た。

「暇だし、好きなVチューバーの生放送でも観ようかしら。あ~でも、天国にはクレジットカードとか無いから、推しメンに貢げないわね…」

「…そうだ、こういう時は…下界の(A)(T)(M)君に貢がせればいいじゃん! さっすが、あたしってば天才! そうと決まれば早速、連絡しよっと♪」

「…もしもし、鈴木君? 今、あんたの夢の中に直接テレパシーで語りかけてるんだけど、聞こえる?」

「あたしが死んだ時、あんたはあたしの葬式にも来ないで、別の女に乗り換えたそうね? この怨み、天国に帰った今も忘れてないから♡」

「まあそれで本題なんだけど、ちょっと天国に万札を持って来てくれない? 言っとくけど、これ『命令』だから。逆らったら、どうなるか…分かるよね?」

「…え、天国への行き方? そんなの簡単よ、あんたも死んじゃえばいいのよ! 昔あんたが、あたしを死に追い込んだ時と同じように…ね♪」

「…はあ? 幽霊になったら、現金を持ち運べない? そんなの知らないわよ、あんたの事情なんて!」

「ん~じゃあ、死ななくてもいいから、あんたのクレジット番号を教えなさい! クレカ使えないなら、コンビニの課金コードでもいいわよ。早くしなさい!」

「言う通りにしないと、あんたの恥ずかし~い秘密の数々を、ぜ~んぶネット上にバラすわよ!? ねえ、あんた自分の立場、分かってんの!?」

「…ふふっ♪ そうよ、大人しく言う通りにすればいいの。ねぇねぇ鈴木君、死んだ元カノのATMにされて、今どんな気持ち? じゃ、末永く愛してるね♡」

「ふふっ…あ~、愉快だわ! 自分に惚れた男共を見下すのって、最っ高に楽し~い♪」

碓井(うすい) 丹波守(たんばのかみ) (えんじゅ)

「…あ、ささたん。そういう事しちゃ、いけないんだ~」
「あ、何よ槐? あたしに文句でもあるわけ?」
「天国に往生できたからって、調子に乗って悪い事しちゃ駄目なんだよ~」
「うっさいわね~。槐だって、神様とか言ってる癖にニートでしょ?」
「ささたんみたいな悪い天使は、下界で人生やり直しの刑だよ~」

「ちょ…ちょっと何すんの、やめなさいよ! そんなに押されたら、雲から落ちちゃうでしょ!? ちょ、ほんとに落ちるって…きゃ~っ!!」

 落ちてしまいました。

此花(このはな) 野菊(のぎく)

「ふ…副隊長、空からノースリーブの美少女が…!」

黒川(くろかわ) (とおる)

「えぇ…(困惑)

自宅

 そんな事が起きていたなど知らず、今日も私達は目を覚ます。
「ん…仁さん、おはよう」

十三宮(とさみや) 巫部(かんなぎ) (めぐみ)

「おはよう! 今日は、皆で一緒に商店街にお出掛けだよ! 楽しみだね^^」

「ああ、そうだね」

 そういうわけで、外出。
商店街

 私達は、商店街の南アジア料理屋で外食する事に。


しかし、そこの店員は…。

黒沢(くろさわ) 俄勝(がしょう)大姉(だいし) 蓬艾(ほうがい)

「…あら、いらっしゃいませ(合掌)

「が…俄勝様!? どうして、こんな所に…?」

「妖魔がカレー屋さんで働いては、いけませんか?」
「いや、別に…ただ、目のやり場が…///」

「あらあら、どこを見ていらっしゃるの? (わたくし)のここ、気になります? まだお昼時なのに、あなた様には食欲より盛んなものがおありで? ふふっ♡」

「が…俄勝様が、そんな格好だからですよっ!(苦笑)それに今は、家族も一緒ですし…w」

「はいはい、分かっておりますよ。では、お楽しみは後程に…改めまして、御注文は?」

十三宮(とさみや) 伊豆守(いずのかみ) (ひじり)

「私はいつも通り、こちらの野菜カレーをお願い致します^^」

 教会の聖職者である十三宮聖は、その宗教的信念により、ベジタリアン向けメニューを注文する事が多い。


今日は、お客さんが少ないので、店番の黒沢俄勝も、私達と一緒に食べようという事になった。

「では私も、聖様と同じ物を頂きましょう」
「あれ、俄勝様もベジタリアンなんですか?」
「私、これでも一応『聖職者』ですよ?」

 十字架のアクセサリーを指差しながら、そう微笑む俄勝様。


かつて彼女は、自らの信仰に殉教した隠れキリシタンであり、今は仏道なども学んでいる、勉強熱心なサキュバスらしい。

「いや、どちらかと言うと『性食者』ですよねw」

「私が『肉食』になるのは、あなた様のような人間を食べる時だけですよ♡」
「そうですかw」

 そういうわけで、聖姉さんとお揃いの野菜カレーを作った俄勝様を交え、皆で楽しく会食する事に。

「では、頂きます(合掌)
「…天の主なる神様に感謝を、エイメン…」

 禁欲主義者の聖姉さんと、欲望の塊みたいな俄勝様…正反対な二人だが、二人とも教養ある「せいしょく者」同士なので、割と仲が良いらしい。

「…改めまして俄勝様、いつも勤行(ごんぎょう)お疲れ様です」
「ありがとう御座います、伊豆守様」

「俄勝様のお役目は、隠密…即ち、天下の平和を乱す動きが無いかを探るお務めですよね。近況は、順調ですか?」

「その件なのですが、気になる事が御座いまして…宜しければ、伊豆守様の御助力を願おうと思っていた所なのです」

「あら、そうだったのですね。私達で宜しければ、お手伝い致しますよ^^」
「恐縮です。実を申しますと…最近、私達の同心が…」

 黒沢俄勝が所属している総督府は、各地に諜報偵察工作員を送っているが、彼らの一部が、国籍不明の特殊部隊に狙撃される事件が発生しているという。

「…分かりました、私達のほうでも調べてみます」

「ありがとう御座います。同心からの伝えによりますと、かの者達は、このような紋章を付けていたとも言われております」

 そう言って俄勝様は、一枚の絵を聖姉さんに見せる。


そこに写っていたのは…。

「これは、鳥でしょうか…太陽を背に煌めく、三本足の烏…?」

 その後、私達は俄勝様の情報に基づき、謎の組織の調査を手伝う事にした。


彼らの正体に関しては、総督府のデータベースでも特定不能であり、より多くの人員を投入して、現地調査を重ねる必要があるという。


そこで私達は、彼らが出現した地点の目撃情報を整理し、それを地図に書き込んで、彼らと遭遇しそうなエリアの範囲を絞り込んでみた。

葉桜(はざくら) ヒナミ

「…御主人様、何か私にできる事はありませんか?」

「ヒナミさん、手伝ってくれるの?」
「はい。私にプログラムされた知能の範囲内であれば、ですが…」

「じゃあ、この地図に打たれた点から、事象の原因がありそうな領域を特定して欲しいんだけど…」

「はい、少しお待ちを…終りました。今、私が曲線で囲んだ範囲に、お探しの事物が存在すると思われます」

「は…早い、ありがとう!」
「それは『感謝』という感情ですか?」

「ああ、そうだよ」

 謎の組織の行動範囲が、おおよそ明らかになってきた。


後は、ここを調査しに行く部隊パーティーを編成しよう。

「ヒナミさん。私達の仲間の中で、この場所に急行できそうな人員をピックアップできる?」

「はい。目標との距離・時間・交通費などを総合しますと…伊勢の斎宮星見様、和泉の間宮主計様、阿波の松山なつき様などが適任かと思われます」

「なるほど。そうと分かれば、姉さん達に報告しよう」

 こうして私達は、謎の組織の正体を確かめるべく、彼らの勢力圏になっている秘境の土地へと向かう事になった。

北燦(ほくさん)山地 古道

 北を山地に隔てられ、西・南・東を海に囲まれた南燦(なんさん)半島


北西から流れる河川が、南東の浦へと注ぎ込んでいる。

間宮(まみや) 文次郎(ぶんじろう) 主計(かずえ)

「…この川を渡った先が、その『燦の国』ってとこなんだな?」

斎宮(さいぐう) 星見(ほしみ)

「はい。俺の一族は先祖代々、あの鳥居の向こうに踏み込んじゃいけないと教わって育ちました」

 今回の任務は、関西畿内軍の間宮主計斎宮星見らが先陣を切り、その後、四国サイドワインダーの松山隊が増援として合流予定である。

 大燦帝国、通称「(さん)の国」。


御伽噺として語り継がれてはいるが、本当に実在するかは分からない伝説上の国である。


一説によれば、かなり永い歴史があり、太陽神崇拝を中心に、呪術的な宗教など独自の文化を持っているらしい。


前の大戦に敗れてからは鎖国状態になっているが、その後も魔術兵器の開発など、国としての軍事力を温存しているとも言われる。

「はっ…そんなファンタジーの国、ほんとにあんのかよ?」

「まあ俺も、はっきり本物を見たわけじゃないんですが、でも実際に、彼らに奇襲されたって報告があるので…」

「ったく、どういう種明かしなんだか…んっ!? おい…」

「ええ、俺も感じました…どうします、松山先輩の上陸を待ちますか?」

「いや、向こうは待ってくれなさそうだ…しゃあねぇ、今は俺達だけで迎え撃つぞ」

「了解しました、間宮先輩!」

 と言った瞬間、森の奥から威嚇射撃が飛来し、左右に散開して避ける一同。


間宮主計は樹木に隠れ、銃を構えながら口を開く。

「日本皇国畿内幕府陸軍より、大燦帝国軍に告ぐ! 俺達の目的は戦争ではなく、貴国との国交樹立だ! 撃つな、交渉に応じろ!」

…あら、あたし達の正体に気付いちゃったの? じゃあ、生きて帰らせるわけにはいかないかな~?

 そう言って、木々の隙間から現れたのは…。

「あなたは…?」
 熊の縫い包みを大事そうに抱える、何故かスリーブレスの美少女であった。
「さっきの射撃、お前か? いや、とても戦闘員には見えない格好だが…」
知らないわよ。あんた達を倒して、新しいATMを手に入れるんだからっ!
「来るぞ、間宮せんp…!」
「分かってる!」

 再び連射音を轟かせ、森を切り裂く弾幕。


どうやら、縫い包みの口がガトリング砲になっているらしい…。

「何なんだアイツ!? ふざけた武装しやがって!」
「俺がやります!」

 伊勢の神官、斎宮星見は放電閃光弾を軽く上に投げ、それをラケットで敵方に打ち飛ばした。

あぁっ!? いったいわねぇ! 何すんのよ!?

 敵が怯んだ一瞬の隙を間宮は見逃さず、そのまま一気に前進して、謎の敵将に銃口を突き付ける。

「降伏しろ、警告はしたからな?」

 そう言われた敵将は、両手を挙げて屈むような動作を見せるが…。

分かったわ、降参す…る前に主砲発射っ!
「主砲…えぇっ!?」
「させねぇよっ!」

 謎の敵将は、足下に備えた砲台を遠隔操作で撃とうとしたが、それよりも僅かに早く、間宮が敵将の背後に瞬間移動したのが先であった。

「まさか、こんな所に戦車を隠していたとは…だが、地の利が悪かったな。こんな山奥の森じゃ戦車より、俺みたいな軽装歩兵のほうが動き易いからな」

「チッ…こんな学歴低そうな奴に負けるなんて、とんだ解釈違いね…」

「お前は警告を無視し、投降を装って俺達を殺ろうとした。分かってると思うが、お前は捕虜失格だ。頭を撃ち抜かれる覚悟、あるよな?」

「今あたしを殺したら、燦国との交渉もできなくなるわよ? それは、燦国との全面戦争が勃発する事を意味するけど、あんた達は責任取れるの?」

「手前、舐めやがって…!」
「間宮先輩! 今の話に関しては、彼女の言い分も間違ってはいません…」
「それに、そもそもあたし『燦国人』じゃないんだけど」
「どういう意味だ?」

 この美少女…笹木詩絵楽は、以前は天界に住むニートだったが、諸事情で下界に追放されてしまった「堕天使」である…らしい。


下界に落下した時、不時着した場所が燦国の領土だったので、そのまま燦国軍の呪師組織で働く羽目になり、今この時に至ったそうである。

笹木(ささぎ) 詩絵楽(シエラ)

「燦国には、あたしの(A)(T)(M)一人も居ないから、お金も引き出せないし、働くしか無かったの。あたしを捕まえるなら、日本に連れてってくれない?」

「燦の国から出国し、日本への亡命を望む…という事ですか。どうします、間宮先輩?」

「コイツを生け捕りに連れ帰れば、まあ俺達の手柄にはなるな。問題は、燦国の偉い連中が納得するか…だ」

「あたしを人質に、燦国軍と交渉してみたら? あの人達も鬼じゃないから、その辺は柔軟に対応してくれると思うわよ」

 その後、援軍として合流した松山なつき達を交え、日本側と燦国側との間で和議が結ばれた。

・日本と燦国は以後、敵対行為をやめ、互いの領土を尊重し合う。


・燦国の特殊部隊「呪師組織ヤタガラス」の存在に関しては、双方とも極秘情報として隠匿する。


・但し、魔術兵器の開発など、互いの利害が一致する部門における協力の可能性を排除するものではない。


・ヤタガラスの傭兵だった笹木詩絵楽に日本国籍を付与し、燦国から日本への移住を許可する。

 このような条件で、大燦帝国との戦いに終止符が打たれた。


しかし、人工衛星が地表を隅々まで監視できる時代なのに、何故あのような秘境の国を今まで発見できなかったのか、謎は残る。


もしかすると「燦の国」は、こちらの日本列島とは別の時空間に存在し、神隠しに遭った者だけが入国できる、異界の国だったのかも知れない…。

後日の朝

 今日、十三宮仁十三宮顯は、朝から委員会の予定があるため、普段より早く登校せねばならなかった。


そのため、今朝は二人が先に出発し、先日の燦国任務で疲れていた私は、二人より少し遅れて、一人で登校する事になった。

「…じゃあ姉さん、行って来ます」
「はい、行ってらっしゃい^^」

 こうして出発したのだが…。

「…え~っと新しい学校、どこだっけ? 早く見付けないと、朝礼に遅れちゃう…って、きゃぁっ!!」

 先日の疲れからか、不幸にも食パンを咥えて黒塗りの高級戦車に搭乗した転校生と追突してしまう。
「あぁっ!? す…すいません」

「いったたたたた…あぁんもう、スカートが裏返っちゃったじゃない…って、そこのあんた! 今、あたしのスカートを覗いたでしょ!? この変態っ!!」

「覗いてないし、もし見えてしまったとしても、それは不可抗力の事故です! まさか、あのブランドの下着を穿いていたなんて…わざと見るわけないですw」

「や…やっぱり見たんじゃない! この変態、痴漢野郎! 今ここで処してやる!…って、あんた…もしかして、先日の…?」

「あ…あぁ、誰かと思えば笹木さん! 先日は燦国の件、お互いお疲れ様でした。もしかして笹木さん、私達と同じ学校に?」

「そうみたいね、宜しく」
「こちらこそ。改めて宜しくね、笹木さん!」

「ふふっ…元気そうな返事ね、気に入ったわ。じゃあ早速だけど、新生活最初の友達であるあんたに、と~っても大事な相談があるわ」

「何?」

「どんな理由だろうと、乙女の神聖な、ぱ…ぱんt…を見やがったのは大罪よ! 罰として、焼蕎麦パンと牛乳を買って来なさい。あ、これは『命令』よ♡」

「えぇ…まあ、分かったよ」

 だったら最初から、もう少し長いスカートを穿いておけよ…と思った。


そもそも学生服なのに、何故か彼女のシャツはスリーブレスだし、ついでにお腹も丸見えだし、随分と過激な「制服」だな…w

「な…何よ!? ジロジロ見ないでくれる?」
「はいはい、すいませんw」

「それで、焼蕎麦パンと牛乳は? あ、あと柚子胡椒味の蛸焼も欲しいわ〜。分かってるよね? あんたはあたしの物なんだから、拒否権なんて無いからね」

「今、財布の中身を確認したんだけど…ごめん、今日は金欠で…」
「あ、それなら大丈夫よ。お金は(A)(T)(M)に出させるから」
「え…えぇ?」

「…あ、もしもし小林君? 今日は、大事な話があって…実は、あたし今でも、小林君の事を(都合の良いATMとして)忘れられないの♡」

「そういうわけで、あたしのペイアプリに今すぐ送金してくれない? あ、もし逆らったらどうなるか…分かってるよね? じゃ、宜しくね~小林君♡」

「…」

「あたしの(A)(T)(M)達は全員、こういう駄目な男ばっかりだから、あんたはそうなんないように、あたしが調教してあげる。ね、嬉しいでしょ?」

「日本語でおk」

 これが…あの日に燦の国で出逢い、そして今日この通学路で再会した美少女、笹木詩絵楽さんとの物語、その始まりであった。

「…ほら、早く学校までエスコートしなさいよ。この優しいあたしが特別に、あんたと登校デートしてあげるんだから、死ぬほど感謝して付き合いなさい♪」

学校の教室

 同じ頃、学校の教室には、普段より早く登校していた仁・顯の姿があった。


顯は教室のベランダに出て、朝の清々しい青空を眺めている。

「…あっくん、お空を観るの好きだよね^^」

十三宮(とさみや) 寿能(じゅのう)城代(じょうだい) (アキラ)

「ああ、小さい頃から好きだな…それに、この季節に見上げると、思い出すんだよ」

「思い出すって、何を?」

「何年も前、僕がまだ『富田(とみた)巌千代(いわちよ)』だった頃かな。一緒に過ごす時間は短かったけど、忘れられない友達が居たんだ。その人は…」

 短い時間を共に過ごした後、その人は家庭の事情で、遠くの街へと引っ越してしまった。


そして、しばらくした後、その人は…ある不幸な出来事により、若くして世を去った。

「…そんな事が、あったんだね…」

 授業開始時刻が迫り、教室にはほかの学生達が次々と入り始め、色々あって担任の先生になった黒沢俄勝も教壇に上がり、そろそろ朝礼である。


そんな中でも、顯は追憶に耽っている。

「ああ、一日たりとも忘れた事は無い。ほとんど友人が居なかった僕を、大切な友達だと言ってくれた、本当に優しい人だった。あの人は…」

 放課後の児童館で、戦車の玩具で一緒に遊んだのが、最後の思い出だった。


男子達をグイグイと引っ張る勝ち気な性格で、いつも袖を捲り、スカートを短く折り、そして…いつも熊の縫い包みを抱き締めていた少女。

「あれから、もう何年も経つ。きっと今は、天国で幸せに暮らしていると信じたい。僕にとって、あの人は、初めての…」

「皆様、おはよう御座います。今日も、快楽まみれの良き一日にしましょうね♡ さて、本日は転入生の方がいらっしゃいます。自己紹介、お願いしても?」

「天国で、僕の心の中で生き続けている、あの人の…あなたの、名前は…」
「あ~えっと…クラスのATM候補の皆さん、初めまして。あたしの名は…」

  笹木詩絵楽の章

   小悪魔再臨篇

    終わり

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登場人物紹介

【愛在幻媛】まつやま

松山 なつき

南海道 阿波県 徳島市


蟹座♋7月7日カーネリアン・ルビー)

・一人称「アタシ」

・二人称「アンタ

・地位 中級生(身長158cm)

・専攻 数学

・属性 

・武技 レーザー剣・アサルトライフル

・愛機 バイパーゼロ攻撃機(対艦ミサイル)


 四国(南海コモンウェルス)の義勇軍「サイドワインダー」伊予基地に所属する中尉(後に中佐)天狗中隊の副隊長「ハンターⅡ」。阿波徳島への増援軍も担当。双妹に松山いつきが居る。


「石鎚天狗の御名において、アタシが…アンタを護る!」

【勇敢天泣】うぐもり

鵜久森 ミナト

南海道 讃岐県 高松市


双子座♊6月18日真珠

・一人称「ボク」

・二人称「キミ

・地位 中級生(163cm)

・専攻 体育

・属性 

・武技 レーザー剣

・愛機 ストライクイーグル攻撃機(弾頭爆弾)


 サイドワインダー伊予松山基地の大尉(後に大佐)、光剣による接近戦が得意。伊予石鎚天狗空戦中隊の隊長「ハンターⅠ」。讃岐高松への増援軍も担当。


「キミの未来は、ボクらと共にあるんだよっ!」

【暗笑海神】まつやま

松山 いつき

関西州 播磨県 淡路郡


蟹座♋7月7日カーネリアン・ルビー)

・一人称「私」

・二人称「あなた

・地位 中級生(156cm)

・専攻 国語

・属性 

・武技 妖刀「蒼雷神」・アサルトライフル

・愛機 スーパーホーネット艦載戦闘攻撃機(高機能ミサイル)


 松山なつきの双妹(二卵性双生児)。志は同じだが、なつき中尉よりサディスティックな性格で、接近戦での居合を愉しむ少尉(後に少佐)。空戦では三番機「ハンターⅢ」。淡路島への増援軍も担当。


「もう苦しまなくて大丈夫! 私があなたを、楽にしてあげる♪」

【炎天無尽】さぎはら

鷺原 イズミ

南海道 土佐県 高知市


魚座♓3月5日(ブラッドストーン・珊瑚

・一人称「あたし」

・二人称「あなた

・地位 後輩(身長148cm)

・専攻 地理学

・属性 

・武技 ハンドガン

・愛機 スーパートムキャット艦載戦闘機(長距離高機能ミサイル)


 幼名「十三宮カナタ」。伊予松山基地に所属するハンター中隊の四番機「ハンターⅣ」及び土佐高知基地(龍馬エルダー隊)への増援軍を担当する訓練生(後に大尉)。公私の合間に乙女の百合などを妄想する、典型的なカップリング屋。


「あの二人は攻守リバース可能か…あなたは、どう思います?」

【大慈大悲】いしもと

石本 ユミカ

南海道 伊予県 松山市


・蠍座♏10月24日オパール・トルマリン

・一人称「私」

・二人称「あなた

・地位 司令官(身長168cm)

・専攻 家政学

・属性 

・武技 ハンドガン・剣

・愛機 ステルス艦載戦闘攻撃機ライトニング(対艦ミサイル)


 無政府状態に陥った四国を懸命に生き延び、讃岐高松で訓練を受け、義勇軍「ハンター中隊」を編成。故郷の伊予を制圧して「サイドワインダー松山基地」を築き、四国4県を中心とする「中立国共同体 南海コモンウェルス」を結成した。兵士の頃は「ハンター零(ゼロ)」と呼ばれ、現在はサイドワインダー伊予司令官・准将(後に大将)を務める。石本のぞみの母。


「天より授かった生命…この子も、私も、あなたも…」

【獰猛傲慢】つちだ

土田 エリカ

南海道 伊予県 新居浜市


魚座♓3月16日珊瑚・ブラッドストーン)

・一人称「オレ」

・二人称「オメー

・地位 飛行教官(笑)

 (164cm・B85 W56 H84)

・専攻 航空学

・属性 

・武器 ムエタイ(手甲及び足甲装着)

・愛機 ストライクイーグル攻撃機(弾頭爆弾)

 エリカスペシャル(マルチロール化改造)


 サイドワインダー伊予松山基地所属の訓練教官兼飛行教官(笑)。通称「ヤーマン土田」。腕は良いのだが、傲慢な性格・気性難のため、訓練生からは反感を買ったり、士官や幹部からはドン引きを喰らったりしており、石本ユミカ司令の頭痛の種になっている。そのため、サドワTVでは「すっとこどっこい教官」や「噴飯者」「空飛ぶ猿(フライングモンキー)」とも揶揄される始末で、出演する動画の企画でも毎度ネタにされている。


「ふざけんじゃねぇぞ! オレは指導と戦闘以外は絶対やらねぇからな!!」

【不撓不屈】なかもと  みく

中本 未玖

山陽道 安芸県 呉市


蠍座♏11月6日トパーズ

・地位 孤児院職員(身長160cm)

・専攻 機械工学

・属性 

・武技 ショットガン・ハンドガン

・愛機 アドバンスホークアイ早期警戒機


 呉港から伊予松山へと、逃げるようにやって来た女性。入水自殺しようとした所を、松山なつき中尉(後に中佐)に保護される。その後は、サイドワインダー伊予松山基地の早期警戒機隊に配属され、ハンター隊の任務の遂行をアシストしている。


「一度は捨てかけ拾った命、人々の未来に使い尽くします」

【百折不撓】じょうこう

上甲 ミサキ

南海道 伊予県 松山市 道後湯之町


獅子座♌8月16日(スピネル)

・一人称「私」

・二人称「士官(あなた)さん

・地位 下級生(身長158cm・B86 W55 H83)

・専攻 家庭科

・属性 

・武技 レーザー剣

・愛機 パイパーゼロ攻撃機 (対艦ミサイル)


 二人組の東山備中「ビッチツインズ」に襲われた、道後温泉に住んでいた中等学生。サイドワインダーに保護され、出産後はそのままサイドワインダーに所属し訓練を積み、ハンター隊六番機(ハンターⅥ)を務めるまでに成長した。因みに、後見人は中本未玖である。


「この子の為にも、情けない姿は見せられない!」

【桜花爛漫】いしもと

石本 のぞみ

南海道 伊予県 松山市


牡羊座♈4月15日ダイヤモンド

・一人称「のぞみ」

・二人称「お姉ちゃん

・地位 幼児訓練生(身長112cm スリーサイズは保護者権限で測定不可)

・専攻 現時点では無し

・属性 

・武技 薙刀


 サイドワインダー伊予松山基地司令を務める石本ユミカ准将(後に大将)の愛娘。ユミカが東山備中を押し倒して腹上死させた後に産まれた。容姿や性格はユミカそっくりだが、万全を期す為、母の刻印(マザーズ サイン)が施されている。現在、幼稚園年中。


「ママはのぞみの事が大好きだしのぞみもママの事大好きだもん!」

【心救天使】おおしろ Sophia さくら

大城 ソフィア 櫻

南海道 讃岐県 高松市


牡牛座♈4月11日(ダイヤモンド

・一人称「あたし」

・二人称「士官(あなた)さん

・地位 中級生(身長156cm・B84 W56 H83)

・専攻 社会科

・属性 

・武技 アサルトライフル・ナイフ

・愛機 スーパーホーネット艦載戦闘攻撃機(高機能ミサイル)


 旧名「武方一(たけかた はじめ)」。車道への飛び込み自殺をしようとしていた所を大城椿姫に引き止められそのまま保護された女学生。その後は椿姫の養子となり、サイドワインダー讃岐高松基地で訓練を積み、ミネルバ中隊隊長(ダイバーⅠ)を務めるまでになった。


「あたしの命を拾ってくれた…本当に大切で、守りたい人達の為に戦うんだ!」

【松風水月】しまもと

嶋本 ゆづき

南海道 讃岐県 高松市


双子座♊5月28日(エメラルド

・一人称「私」

・二人称「士官(あなた)さん

・中級生(158cm・B83 W54 H85)

・専攻 家庭科

・属性 

・武技 レーザー剣・ショットガン

・愛機 サンダーボルト攻撃機(高機能対地ミサイル)


 山鳩児童院出身の女学生。大城櫻の高松基地での初めての友達であり、共にサイドワインダー讃岐高松基地で訓練を積み、ミネルバ中隊二番機パイロット(ダイバーⅡ)を務める。まれに櫻に対して重めの感情を見せる事も…。


「訓練も任務も…私と一緒だもん…♪」

【献身天女】おおしろ Elizabeth つばき

大城 エリザベス 椿姫

南海道 讃岐県 高松市


射手座♐11月23日トパーズ

・一人称「私」

・二人称「あなた

・地位 司令官(身長166cm)

・専攻 看護学

・属性 

・武技 刀・ハンドガン

・愛機 パイパーゼロ攻撃機(対艦ミサイル)


 石本ユミカと共に無政府状態下の四国を懸命に生き延び、讃岐高松で訓練を受け、義勇軍「ミネルバ中隊」を編成。故郷の讃岐を虚人東山軍から守り抜き「サイドワインダー讃岐高松基地」を築き、ユミカと共に四国4県を中心とする「中立国共同体 南海コモンウェルス」を結成した。兵士の頃は「ダイバー零(ゼロ)」と呼ばれ、虚人東山軍からは「血塗れ(ブラッディー)リズ」と呼ばれている。現在はサイドワインダー讃岐司令官・准将(後に大将)を務める。基督教プロテスタント教徒ではあるが「シスター リズ」とも呼ばれる。


「天命に従い、弱き人々を護り救う…それが私の贖罪なのです…」

【蒼天夏影】ささぎ シエラ

笹木 詩絵楽

関東州 相模県 南武郡 横浜市


魚座♓2月23日紫水晶

・一人称「あたし」

・二人称「あんた」「キープ(笑)

・地位 中級生

・専攻 生物学

・属性 

・武技 べアックマ機関銃(縫いぐるみ熊)

・愛機 戦車


 天国で暇な生活を送っていたが、色々と調子に乗って神の怒りを買い、下界に追放されてしまった堕天使。相手を誘惑して恋愛感情を抱かせ、自分に貢がせる「色恋営業」を得意とする。そのツンデレ小悪魔な言動で骨抜きにされた元カレ(ATM)達は、優に百人以上を超えるらしい。でも本人は「清楚な乙女」(自称)らしい。愛称「ささにゃん」


「か…勘違いしないでよ! あたしは優しいから、あんたを念のためキープしてあげてるだけなんだからね!?」


「こんなに沢山あたしの写真を撮るなんて、そんなにあたしの事が好きなの~? ふふっ♪」

【滅殺邪神】かんだ Ernst ゆうか

神田 エルンスト 遊火

西海道 肥前郡 伊万里県


蟹座♋6月30日真珠

・一人称「僕」

・二人称「先輩

・地位 下級生

・専攻 生物化学

・属性 

・武技 剣術


 日本帝国九州(西海道)出身だが両親を亡くし、各地を漂流しながら守るべきものを探求している。


「…僕はこの記憶を、先輩との想い出を、ずっと大切に抱いて生きたい…」

【花天月地】かげつちいん ようぜい

花月地院 陽成

西海道 薩摩県 川内市


・一人称「私」

・二人称「先輩さん

・地位 後輩

・専攻 化学

・属性 

・武技 呪符


 護符御札を用いた呪術を習得しており、札の文字に応じて「界」「攻」「治」の効果を領域に展開できる。彼女の「実家」であった花月地院は、関西周辺に存在したと言われる密教の寺院で、表向きは「神仏・陰陽の力で孤児を救う」などと騙って賽銭を集めていたが、実際には黒魔術を研究する邪教で、そのために子供達を誘拐・酷使していた。幼き日の陽成は、この花月地院に幽閉され「御本尊」に祭り上げられていたが、戦災で寺院が焼失したのを機に、九州へと逃れて今に至る。豊かに実りましたね。


「先輩さんは、この忌むべき過去を知っても私を抱き締めてくれますか…?」

【武猫妖巫】あべの つちみかど あやね

安倍 土御門 綺音

関東州 常陸県 水戸市


魚座♓3月6日ブラッドストーン

・一人称「私」「アタシ」

・二人称「アニャタ」「オミャエ」

・地位 後輩

・専攻 兵学

・属性 

・武技 回転連発銃(2丁)・ナイフ


 自然現象を占う陰陽師(儒家神道)の末裔で、現在は北関東工業地域常陸(茨城)に住むが、何故か猫の遺伝子が混入している。伝統的な陰陽道と兵法、そして最新の軍事智識を組み合わせ、顧客に兵器と作戦術を提供する武器商人軍需産業であり、現代の軍師。


「私を拾ってくれたからには、必ずアニャタを勝利へと導くにゃん!」

【夢音般若】ゆめみや みさ

夢宮 魅咲

西海道 火国県 肥後郡


双子座♊6月1日真珠

・一人称「私」

・二人称「士官様(しぃさま)

・地位 下級生

・専攻 芸術

・属性 

・武技 杖立


 夢宮乖離・十三宮顯の妹として、九州 肥後(熊本)に暮らしてる。「人を不幸にさせる能力」がある…と言われるほど人間不信だったが、本当は心優しい美少女。の呪力による、治癒魔法を訓練している。


「うぅ…自己紹介って、何言えば良いか分かんないめぅ…」

【天心乱漫】ゆめみや かいり

夢宮 乖離

西海道 火国県 肥後郡 阿蘇市


獅子座♌8月13日サードニクス

・一人称「私」

・二人称「あなた

・地位 上級生

・専攻 古文

・属性 

・武技 ライフル銃


 夢宮魅咲の姉で、妹よりも(色んな意味で)積極的な性格。魅咲とは別の学校に通っているようだが、その正体は「光と闇を操れる」「思い描いたものを創り出す」などと言われる、不可思議な存在でもある…。


「妹を、魅咲を幸せにすると約束して?…じゃあ、誓いの口付けを…」

よねむら おうか

米村 桜華


 夢宮家で暮らす少女。小柄な体格で、稲米の妖精と言われる。

【無心教愛】はざくら

葉桜 ヒナミ

関東州 東京府


・一人称「私」

・二人称「あなた(様)

・地位 下級生

・武技 感情辞典


 国民が望む「理想の配偶者」を政府が人造するという、究極の少子化対策である「愛人ホムンクルス」計画で生まれた少女の一人。申請者の好みで容姿・声・特技などを指定できるが、葉桜は人間の感情を理解する能力が欠けており、政府側からは「新品と取り替えて処分すべき不良品」などと言われている。


「その感情の名前は何ですか?」

よしの ゆき

吉野 雪

関東州 東京府


・一人称「僕(私)

・二人称「あなた

・地位 中級生

・武技 不明


 出会い系サイトで知り合った、ロリータ服の美少…女?


「あなたの優しい所が大好きです!」

Lodi

ロディ

関東州 相模県


・一人称「俺」

・二人称「プレイヤーさん

・地位 中級生

・武技 狙撃ライフル


 オンラインRPG『ドリームワールド』の(廃人)ヘビーユーザー。ゲーム内で自分のカフェを営み、スナイパー男子のアバターで行動する。


「昨日もイベラン、今日もイベラン、明日もイベランです」

【鬼神焔華】うすい たんばのかみ えんじゅ

碓井 丹波守 槐

関西州 山城府 丹後郡 大江町


・一人称「えんじゅ」

・二人称「しーたん

・地位 神童(身長140cm)

・専攻 体育

・属性 

・武技 戦斧


 京都大江山に祀られている神霊。百年~千年も生きているらしいが、外見や言動は子供のままで、士官を「しーたん」と呼ぶ。性格や戦闘能力は非常に良く、一緒に戦うと心強いが、気分屋であり寝ている事も多い。(翼が生えてないのに)神なので飛べる、そう神だからね。


「だってエンジュ、神様だもん!」

【妄神信仰】みねさき Ursula

嶺咲 ウルスラ

東海道 駿河県 静岡市 清水区


・一人称「先生」

・二人称「御主人様」「あなた様」

・地位 短大実習生

・専攻 看護学

・属性 

・武技 人形


 短期大学で看護学を探究し、学校看護教諭(保健室)の教育実習に励む女学生。十三宮教会に所属するが、四国の士官学園などに派遣される事もある。医療や心理学に詳しく、傷病者の救護やカウンセリングなど、皆の心身をサポートするが、相手を自分に依存させて支配するのも得意。自らを信奉するファンクラブ「嶺咲会」を率いて戦い、感電金属を仕込んだ人形で攻撃する。本名、東山あずさ


「大丈夫ですよ~♪ 先生だけはぁ、御主人様の味方ですからね~♥」

せおい あかり

瀬笈 緋夏麗


 1300年以上も生きている天使だが、今は現世に留まって十三宮教会軍に属し、地上に正義を実現すべく戦っている。天使とは思えぬ長短の兵装での暗闘を得意とするが、天使なので人間の感情に疎い所がある。

とさみや Naviryastoller せつな

十三宮 ナビリアストラ 瀨紲


 十三宮教会の家事を手伝っている、人型の戦闘ドロイド。周囲の物質を武器に変形させて戦うほか、薬学にも詳しい。

たちばな Mistral まこと

橘樹 ミストラル 聖寿刀


 後天的な異能に目覚め、十三宮聖の助手を務める鬼神。あらゆる武器を調達して戦う事ができるが、性格は優しく礼儀正しい。愛称「リリー」とも。

ことうら しずく

琴浦 雫


 元来は普通の少女だったが、狐のような耳が生えている半獣半人の後輩。を操り、で斬撃する。

【水神聖慕】みずかみ Jeanne うみ

水上 ジャンヌ 溟

中部州 甲斐県 北杜市 大泉村


・一人称「私」

・二人称「子羊

・地位 神姫

・専攻 水文学

・属性 

・武技 海王石


 外見は18歳以上だが、実は古墳時代の頃から生きている水の女神。昔は海岸平野で人と共に暮らしていたが、人間の環境破壊で高地へと逃れ、南アルプス赤石山脈に隠居した。人々の記憶から忘却され、誰にも信仰されない水神となりつつあったので、自分を見付けてくれた嶺咲ウルスラに感謝し、娘のように可愛がっている。七宝院学園の合宿や観光などで、甲斐の山岳に来る人々を見守ったり、美味しい地下水を恵んだりしている。


「迷い込み来たる子羊に、私の恩寵を…」

しば まい

司波 莓

中部州 美濃県 岐阜市


 古代の神話に登場する、大和朝廷に抵抗した辺境の種族「土蜘蛛」の末裔。先祖は碓井槐らと戦った事もあり、その伝説は能楽などの演劇に語り継がれている。現在は七宝院学園に属する肉食妖怪の少女で、中等学生の姿をしている。

あずみね あんご

與峰 菴吾

関東州 東京府


牡羊座♈4月1日

・一人称「私(わたくし)」「僕」

・二人称「  

・地位 書店長(身長182cm)

・専攻 国文学

・属性 

・武技 


 表では書店を営みながら、裏では諜報(インテリジェンス)活動に従事する店長。


「今に始まった事ではありません、きっと次は乗り越えられますよ…」

【厨弐想神】やまだ Lancelot たまこ

山田 ランスロ 玉子

教室の中心


・一人称「某(それがし)

・二人称「汝爾」「君」

・地位 先輩

・専攻 宗教哲学

・属性 

・武技 


 全国の学校に出没する、とにかく痛い上級生。そこに「教室」が存在する限り、どこにでも降臨する。


「…だから、某は卵ではない!」

【神槍黄泉】とさみや れいか さつき

十三宮 澪花 咲都季

関東州 東京府 東京市 蒲田区


魚座♓3月1日(ブラッドストーン

・一人称「文屋(ふみゃん)

・二人称「士官たん

・地位 下級生

・専攻 ロボット工学

・属性 

・武技 石剣


 旧称は「文屋(ふみや)咲都季」で、何百年も異界で暮らしていた妖魔の少女。天変地異による次元の揺らぎが、情報技術の急速な発達と重なった結果、異界と地球を出入りできるようになり、人間の世界へと遊びに来るようになった。日本人に擬態するため、十三宮顯の義妹(養女?)になって「十三宮澪花」という名前を与えられた。元来は狂気的な攻撃力を有するが、最近は人間に危害を加えず、普通に仲良くしている事が多い。今日も世界一、可愛いね。


「スリスリむぎゅ~っ! だーいしゅき♥」

【深淵虚人】ひがしやま びっちゅう

東山 備中

山陽道 吉備県 備中郡 高松町


 未来の科学技術で創造されたバーチャル宇宙「メタバース」から、現実世界の地球に侵入して来た、両性具有の人型生命体。自分以外の者が苦しむ姿を眺めるのが大好きで、欲望のままに子孫を殖やすという独善的な使命を掲げ、適当な人間(特に若い女性)を無差別に襲っている。他者の不幸を糧として、病原体のように繁殖・変異を繰り返しており、多くの「変種」や「量産型」が存在する。それらを率いて虚人東山軍という犯罪組織を形成し、日本の瀬戸内海などで暴虐を尽くしている。一見すると爆乳お姉さんだが、真の性別は…。


・(レッドベリル

・一人称「私」

・二人称「あなた

・地位 提督(無免許)

・専攻 性教育実技(笑)

・属性 

・武技 迫撃砲

・愛機 昴級空中戦艦


「あなたにも、私の神聖な遺伝子を孕ませてあ・げ・る♥」

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