聖女に救われた少女
文字数 1,585文字
大城エリザベス椿姫。
彼女はサイドワインダー讃岐高松基地の司令を務める准将(後に大将)である。
そんな彼女は生粋のキリスト教プロテスタント教徒であり、山鳩児童院の院長も兼務し、子供達のみならず弱い立場の人々の為に献身的に尽くす事から「シスターリズ」と呼ばれ尊敬されている。
椿姫は巡回を兼ね、高松市内のスーパーマーケットへ向かっていた。
「買い出しは児童院の職員がする」と職員達は言うものの、先述の通り巡回を兼ねている為、椿姫自らが買い出しをしている。
買い出しを兼ねた巡回中、椿姫がふと、一人の少女を見付けた。
どうやら歩行者用信号が青になっているにもかかわらず、渡ろうとしないのだ。
椿姫の予想は的中した。
その少女は歩行者用信号が赤になり、止まっていた多数の車が走り出してしばらくしたその時、椿姫の目の前で少女が車道へ飛び出そうとしたのだ。
椿姫は必死に引き止め、歩道に座らせた。
「やだぁ! お願い! 死なせて!! あたしなんか…あたしなんかぁ!!」
すると、この騒ぎで人だかりも出来て更には警察も駆け付けて来た。
椿姫は、買い出しから戻った後、話を聞き出す事にした。
「…(ぺこり)」
サイドワインダー讃岐高松基地
司令官室
武方一は、椿姫に全てを話した…。
そして、助けを求めようにも助けを求められなかった事を。
その瞬間、椿姫の右手は櫻の頬を叩いていた。
こうして、絶望の淵に居た一人の少女は、讃岐高松の聖女に救われた。
少女は「
櫻は後に、サイドワインダー讃岐高松基地のエース部隊「ミネルバ中隊」の隊長である「ダイバーⅠ」と呼ばれる事になる。