おい兄ちゃん
文字数 627文字
おい… どうしたんだ
弟よ
何も、わからないんだ…
そうか、記憶でも消えたのか
ああ、それがな…
数学の時間の授業で出てきた数式が難しすぎて俺は考えるのをやめたんだ。
おお、そうなのか
それでな、俺はふと窓の外を見た。
そしたらさ、グラウンドの木にハトが一羽とまったんだよ。
それでなんで鳥って空飛んでんだろ？鳥って空を飛んでいる時何を考えているんだろう？
こんなことをずっと考えていたら頭がこんがらがってきてな。
最終的に俺ってなんで生きてるんだろうって、疑問に思ったんだ
うん…そうか…
うん、それでさ
なんでだと思う？
しらねぇよ！！！
あ、でも俺もこの前ずっとそのことについて悩んでいたな。
俺は生まれたからまだ一度も何かを成し遂げたことがないんだ
すなわち俺はただ生きているだけなんだ
そうか、やはり兄弟だ
貴様もこのことについて悩んでいたのか
だがな、ナオヤ
俺たちは生きているだけでいいんだ
生きていることに意味があるんだ…
女は生きているだけで偉いんだって言ってたやつがいるが、それと同じだ
そうか、赤ちゃんは泣くのが仕事だっていうのと同じか
そうそう、それでまだ何か疑問とかある？
えっと、この前な、学校で母親の下着と間違えて着てきたやつがいるんだ
これは何？
そいつはどこにでもいる変態だからほっておいていいよ
コンコン（部屋をノックする音）
ちょっとあんた達ィ～、これ誰の下着だよ
間違えて着ちゃっただろ
ねぇ兄貴、父さんが母さんのパンツ履いて突っ立ってんだけどこれは何？
うん、コイツもただの変態だ
