お土産

文字数 2,032文字

兄弟は学校の行事で旅行に出かけていた。

弟は京都へ修学旅行、兄はどこかの県へ林間学校に行っていた。

そして帰りの日が偶然重なっており、本日帰宅する予定なのである。

~午後18時頃~
ただいまぁ~
ただいまぁ~
あら、お帰りなさい

うわぁ~、二人ともへっとへとね

え?!何その荷物の量は?!もうリュックサックがはち切れそうよ!!

しかも2人とも!!


ああ、これか

兄貴のは知らないけど、これはお土産だよ

やっぱり学校行事で行く旅行と言えばお土産だろ

だからこのために、ずっとためてきたお小遣いをすべて使い果たし、散財してきたってわけさ…

ああ、お前もか

やはり兄弟だな

俺もこれ全部お土産だぜ

お前らアホか

どんだけお土産買ってきてるのよ

つーか、こんなにお土産配る人いた?

ん?何言ってるの?

これ全部俺専用のお土産だけど?


え?!嘘でしょ?!あんたお土産って、自分よりも家族や友達のために買っていくことをメインに考えて買うものでしょ普通!!

まさか家族には1つも買ってきてないのアンタ?!

いや、当然だろ

だって俺専用だって言っただろ?


はぁ~~

あんたマジで最低…。

ナオヤは常識が分かるいい子だから、しっかり家族の分やお友達の分も買ってきているわよね?ね?!ね!!!!!

なんだよ奇遇だな兄貴、当然俺も自分の分しか買ってきてねぇよ

やっぱり兄弟って似るもんなんだな

あんたも最低ッ!!!


つーか普通お土産って自分のために買わね?

そのお土産にその時の思い出を詰め込むんだよ!


だよな、やっぱり思い出って形には残らないからな

思い出を1つ1つ形にして残したいなら、やっぱりお土産を買うしかないんだよ

だから家族や友達の分まで考えてなんかいられないんだよ、自分のことで精一杯だからな

はぁ~もういいわ…

あんた達の行動に絶望してるから…(あぁ~八ッ橋食べたかったのになァ~)


それで、何を買ってきたの?
いい質問だね母さん

まずは、ずっとずっとずぅ~~~~っと欲しかった「木刀プレミアムエディション」!!

なんと定価1万5000円!!!!!

うっわぁぁぁぁ~~~~~

マジで小学生なんですけどぉ~~~

ちょっと勘弁してよぉ~~…ホントにもったいない、今世界で一番もったいないことしてる…。

おいおいマジかよ?!


(うわ、なんか嫌な予感が…)
マジで超奇遇すぎだろ?!

俺も買ったんだぜ!!「ザ・木刀4~京都編~フラッグシップモデル」なんと定価2万7000円!!!!!!


うおぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!!

すっげぇぇえ!!!!!


おいィィィい!!!!

すっげぇぇぇ!!!!!じゃねェェえよ!!!!

何が「ザ」だよ!何が京都編だよ!!あと何編あるんだよ!!そしてフラッグシップモデルって何???しかも4ってマジ?!なんか気になるんですけどぉぉ!!!なになになに!?今の若者のトレンドってまさか木刀なのぉ?!!!おばさんもうわからなぁぁ~~~~~いっ!!!!!

Take it easy mum、木刀が素晴らしすぎて興奮する気持ちはわかるけど、あんまり大きな声出さないで、近所迷惑だから。
違うわ!!!!


ちなみに僕に買った木刀はノーマルモデルと10周年を記念したアニバーサリーエディションとプレミアムエディションの3種類が販売されているんだ。

そしてナオヤの方は京都編のほかに、奈良編、東京浅草編、沖縄編、北海道編、千葉ディズニ〇ーランド編の6種類あるんだ!しかもアメリカに修学旅行に行く学生をターゲットにした幻の木刀シリーズ、伝説のアメリカ・ニューヨーク編が約20年前に販売されていたんだ!!そしてそれは全国の木刀オタクが狙っていて、オークションに出されたときには1億を超えたことがあるらしい。それほどレアな木刀なんだ。

ちなみに僕の買ったプレミアムエディションは、樹齢200年を超えているプレミアムな杉の木から作られている超贅沢品なんだよ!!

そして弟の買った~京都編~フラッグシップモデルは、木刀の中でも唯一、刀全体が飛行機の機体に使われているものと同じ素材で作られており、もはや木刀の形をした、ただの強度が異常に強い刀なのである!!!!

はぁ、はぁ…

どう?伝わった?


いや何がだよ!!!!
それで、バックの中にはまだ大きなものが色々入ってそうだけど…

一体何なのかしら…

まあ、残りはps5とモニターと炊飯器

夜に部屋でゲームしながら飯食おうと思って持っていったら先生に見つかって全部没収されたから、お土産屋の近くにあった電気屋で新しいの買ってきた

おお、またまた奇遇だな

俺の残りは、電気ポットとパソコンとプロジェクター

まあ、想像つくと思うけど、夜にカップラーメン食べながら部屋で映画見ようとしたら先生に全部没収されたから、お土産屋の近くにあった京都駅のビックリカメラで新しいの買ってきた

ああ、なるほどね

やっぱりな、そうなるよな

なるほど、じゃねぇぇぇえええ!!!!!!!

あんたら何しに旅行行ったんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!

気が合い過ぎる仲良し兄弟の日常でした。
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登場人物紹介

兄貴 シュン

16歳の高校一年生、男子校に通っている



弟 ナオヤ

15歳の中学3年生 共学に通っている

外見はクールだが心は幼い


母親 

43歳の主婦 

いつも優しいお母さんだが、怒ると怖い

父親

45歳の普通のサラリーマン


千川鈴音ちゃん


弟ナオヤの同級生

で兄の○○

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