第20話

文字数 413文字

小学生の頃を思い出していた。屋内で祖父の部屋に向かう途中。祖父が収集した美術品を見るために。

兄弟の中で、僕だけ許されていた。独りで部屋に入る事。

祖母「おっぱい飲む?今でも好きやろ?ムフフッ」
僕「アハハッ。要らないよ」

祖母と母親は畳の上に座っていて。会話をしていた。楽しそうでいいね。

と思いながら通りすぎていた。笑顔で見送る。邪魔をしてはいけない。その様に思って。

僕「小山さん。コロッケ味見してくれるかな?」
小山さん「分からないと…思いますよ?」

僕「キャハハッ。衣は同じにしといたよ。今回は迷わないように。フフッ」

小山さんは、ムッとした表情を僕に向けた後。モグモグ食べながら。一度、考えた風味をしてくれて。

小山さん「分かります」
僕「アハハッ。だから。衣。変えてないって。キャハハッ」

小山さん「このクミン。良いですね」
僕「シナモンだよ?ムフフッ」

結局、分かってないんじゃん。アハハッ。モグモグ食べる青年はグラスに入った水を飲んだ。
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