第13話

文字数 632文字

募集を始めた。独りでは勝てない。この重みを繰り返し味わってきた。僕にとって。

バーテンダー経験者の、男の子が来てくれて。ノンアルコールカクテルも作れる。逸材だ。出逢いに感謝するのは、簡単だった。

僕「うちに来てくれるの。おせーよ。アハハッ」
男の子「募集してないからですよ?フフッ」

生意気な笑顔と、確かな手応え。それと肝の座った感じ。バーテンダーしてりゃーね。

そりゃ、そうなるよ。フフッ。イラつく位。こっちよりじゃねぇーかよ。そう思った。

僕「…そうだな。任せるよ」
男の子「…いやいやっ。今日、初めて来たんですよ?ちょっと様子見てくださいよ?」

おどおどしてるのも、僕の前だけだろ?って。やっちまえるんだよ。こういう奴。

実際は。甘えてくる。居る時は。本当に、イラつく。分かりまくってんだよコイツ。

分からないだろ?って。僕にしてくる。アフォだな。お前。分からない訳、ねぇーだろ?って。同じ道なんだよ。進んだ先。僕と君は。

男の子「いやいやいやぁ~。甘えさせて貰って良いですか?」
僕「アハハッ。十分だよ。お客様に甘えなよ。フフッ。出来てんじゃん?キャハハッ」

男の子「アハハッ。ヤベェーっすよ?」
男の子と僕「キャハハッ」

僕「出来るのに、僕に甘えてきたら。次はひっぱたく。分かるよね?」
男の子「…出来ないと、思うんっすよねぇー…」

俯き加減で眉間にシワを寄せて。伝えてきた男の子。

僕「キャハハッ。いや…って言うか…。ひっぱたいていい?」
男の子と僕「キャハハッ」

新しいスタート。良い期会。
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