英語 『考える英文法』

文字数 742文字

 現代の英語教育では、英語を話せるかどうかが重視されるが、この『考える英文法』は「いろいろな文法規則を、ただそういうものとして覚えるのではなく、なぜそういう規則になるのかというところまで理解し、その上他の規則と比較してそれらの関連を考えて合理的に整理し、まとめあげる」ことを目標に掲げた本である。

 それぞれの文法事項について、簡単な説明はあるものの、問題演習中心であり、あまり英文法を学んだことのない初学者が読み通すのはなかなか難しいと思われる。
 英検などの試験では、この本で課されるような問題は出題されないので、そうした試験で高得点をとるために用いる本ではないが、入試問題や文学作品から引用された問題の質は高く、一通り英文法の知識がある人であれば、自力で問題を解かず、解説を読み通すだけでも文法知識に基づいた英文解釈の力が増すことを期待できるという感想を持った。

 問題は、研究問題と実力テストに分けられており、たとえばこのような問題が課される。

次の文中、関係代名詞に導かれる節(これを関係詞節という)を抽出して、これを独立した文に改めよ。

They tried to save that shiftless, drunken gambler whom she had been so unfortunate as to marry. [Maugham, Creatures of Circumstance]

これに対する答えは、She had been so unfortunate as to marry a shiftless, drunken gambler. であり、訳文として「彼女が不幸にも結婚しただらしのない、飲んだくれのばくち打ちを彼らは救おうと試みた」が示されている。
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