詩 五編 7

文字数 363文字

1 嘔吐(おうと)

絢爛(けんらん)豪華(ごうか)な 衣を(まと)
人の頭を  (ぬか)ずけさせる
こころ(うつ)ろな 偽善の聖人

2 斜陽(しゃよう)

窓ごしに 太陽が 赤く沈みゆく
それは 一日の終わり
それは 人の 国の 衰え
憂愁を 呼び覚まし 自殺を(いざな)うものがなしさ

3 擬態(ぎたい)

机の上に ひらひらと
舞ひ降りつる枯れ葉
手にて払えば 飛び去りつ

4 人間動物園

未開から 文明へ

野蛮人だと 人はいふ
檻に居るのは 遠く見上げる 先住民
身体と 精神の 規格外れ

文明から 野蛮へ

野蛮人だと 人はいふ
檻に居るのは さるまねをする 日本人
辺境で 人を狩る 欧米人

5 生存本能

そのむかし 人の心は 
森にすむ 神を見た

神は消え 森は消え
つくられたのは
農耕地 牧草地
やがて地は荒れ 砂漠ができた

人は訴える 森を守れと
森が育む 豊かさを 保護せよと

それは何ぞや
人間が いきるため
絶滅を 恐れる叫び 
種を保存する エゴイズム
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