第42話 さようなら迷探偵
文字数 1,042文字
ちょっと、タケルー！
お使い行ってきてくれるー？
…はーい。
行ってきます。
(んもう…お母さんったら…ダラダラしてるなら自分で行けばいいのに…)
…ん？あれは…家並さん？
パァン
ーッ！！
…っえ？
ドサッ
家並さん！！
(…ひどい出血だ…！とにかく、救急車！)
あの、すみません、急患です！
…ええ、場所は…
病院
ひどい出血だ、今すぐ輸血の準備を！血液型はBOのRh＋！早く準備を！
ッ、
おい、何をしている！早く準備をしろ！！
は、はい…！
まずい、脈拍が下がってきた！
紗音！！
あの、先生！紗音は…うちの娘は大丈夫なんですよね！？
…なんとか一命を取り留めました。
…よかった。
…ただ、非常に危険な状態である事に変わりありません。このまま意識が回復しない可能性も…
…そんな！
…おい、紗音…紗音！！
パパ…！
…でも、どうして…！
電話してた時の紗音の様子がおかしかったから、急いで戻ってきたんだ。
それより、紗音は！？
…なんとか命は取り留めたそうよ。でも、意識が回復しないかもって…！
そんな…嘘だろ…嘘だと言ってくれ…！
…頼むよ…もうこれ以上、家族を失わせないでくれよ…！
紗音ちゃん！？
家並！！
家並さん！！
のんのん！！
…みんな…！
…申し訳ございません、モリアーティ様。家並 紗音の暗殺に失敗しました。
…あのさあ、失敗しました、じゃないよね？
言っただろ？どんな手を使ってでも殺せって。
殺人現場を見られてでも、あいつは消しておくべきだったんだよ。
…砂井(すない)君、君には本当に失望させられたよ。
…申し訳ございません、モリアーティ様。次こそは、必ず。
…もういいよ。君には向いてない事がよくわかった。
暗殺が失敗した今、君がもう一度あいつを殺すのは無理だ。
…スナイパーは安全地帯が仕事場だからなぁ？
…自分の不手際でモリアーティ様の計画を狂わせてしまい、大変申し訳ございませんでした。
もういいっつってんだろ。ここからは、俺が直接手を下す。
…さて、最後のひと勝負といきますか。
…。
…おい、ワトソン。お前が、救急車を呼んでくれたんだって？
はい…。
…ありがとうな。
いえ…僕には、これくらいしかできなくて…
…よし、行くぞ。
行くって、どこに？
…決まってんだろ。紗音にこんな事をしたクソ野郎を、ブチ殺しに行くんだよ。
え…！？
ちょちょちょ、それはマズいですって！
捕まっちゃいますよ！！
うるせえ！！豚箱行き？上等だゴラァ！！
俺の娘を殺そうとした奴なんか、この世から消してやる！！
紗音ちゃんのお父様！！
何だよ！！
お嬢様の意識が、回復しました！
…何だと！？
