第46話 森谷vs迷探偵の愉快な仲間達
文字数 1,149文字
…ゲームだと！？
…そうだよ。
御簾照中の校舎全体、そして病院の病棟内に時限爆弾を仕掛けておいた。
今日の午後4時以降、あの校舎の中にいる全員、外に出られないように教室の自動ロックキーを設定しておいた。…まあ、紗音ちゃんのお見舞いのために学校を休んだ君は知らないだろうけど…
今頃、みんなは脱出不可能の校舎の中で騒ぎまくってるところじゃないかな？
ドアとか窓は全部強化しといたから、いくら頑張っても絶対開かないしね〜。
そんな事、できんのか…！？
半年間の準備ナメんな？
…んで、本題はここから。
実はね、みんなを助ける方法がないわけじゃないんだよね〜。
…え？
…鍵は、この俺。
森谷は、自身のシャツの前ボタンを引きちぎる。
…校舎と病棟に仕掛けた時限爆弾、実は俺の心臓に埋め込んだマイクロチップと連動してるんだよね。
森谷は、自分の胸の手術痕を見せる。
俺の心臓が完全に停止すれば、爆弾は作動しない。
…つまり、俺が生きてる間は、カウントダウンは止まらないってワケ。
このタイマーの数字が0になるまでに俺が死ねば、君たちの勝ち。爆弾は作動しない。
タイマーの数字が0になるまでに俺が死ななければ、俺の勝ち。校舎と病院に仕掛けられた全ての爆弾が作動して、みんなまとめてドッカーン！！…って寸法。
森谷は、懐から拳銃を取り出し、最雅さん目掛けて床を滑らせる。
…殺してみろよ、俺を！
一人の殺人鬼の命と善良な市民1000人の命、どっちが大事かなんて、天秤にかけるまでもないだろ！？
タイムリミットはあと3分！
決断は早い方がいいぞ？
最雅さんは拳銃を受け取り、森谷に照準を合わせる。
…上等だよ。てめえみてえなクサレ外道、俺がこの世から消してやる。
最雅さん！！ダメです！
それじゃあ、森谷の思うツボです！！
安い挑発に乗らないでください！！
だったら他に方法があんのかよ！？
早くしねえと、みんな死ぬんだぞ！！
でも、道を踏み外しちゃいけない！
…あなたが人を殺したなんて知ったら、奥さんも娘さんも悲しみますよ！
うるせぇ！！…とっくに覚悟はできてる。
俺ァ元々、あいつらに顔向けできねえんだからよ！！
…見てろよ、俺は射撃の腕には自信あんだ。
こんなナメた若僧一人殺すくらい、ワケねえよ！
最雅さんは、森谷に拳銃を向ける。
…だが、その手は震えている。
おいおいどうした？グズグズしてるから、残り時間はあと30秒だよ？
…君、人を殺した事ないんだろ？
俺がお手本って奴を教えてやるよ。
森谷が最雅さんの腕を掴み、拳銃の銃口を咥える。
…ほら、撃てよ。
たった一回、引き金を引けば、君は1000人の命を救った英雄になれるんだぜ？
残り時間あと10秒！
さあ、その手で、俺を殺してみろよ、正義のヒーローさんよぉ！！
…5ぉ！！…4！！…3！！
うぁああああああああああ！！！
ちょっと待ったー！！
