第31話 迷探偵vs殺人(未遂)犯!
文字数 1,119文字
…さて、犯人については、今頃警察が探している頃だろう。
ふっ、私は、家並 紗音としてこの世に生を受けた。だが、私には、もう一つの顔がある!!
どんな事件も私にかかればあっという間に解決!!
私の正体は、シャーロック・ホームズの生まれ変わりであり、超中学生級の探偵だ!!
ちょっと待ってください!
…彼女は、事件の被害者で、事件の重大な情報を知ってるんです!
…ふっ、そういうことだ。やっと話を聞く気になったか。
…知っている事ならなんでもいい!!教えてくれ!!(ガシッ
えっ…?あ、いや…ちょっと、順を追って話しますから…えへへ。
(家並さん、警察の人に囲まれて完全に浮かれてるな…こういうのやってみたかったのかな、多分。)
…えーっとですね、まず、私とここにいる教師は、ステージの準備で控え室として使われていた教室に閉じ込められて、そこにあったドライアイスのせいで二酸化炭素中毒になりかけたんです。
実は、発見が遅れたのは、妨害電波のせいで携帯が繋がらなかったからなんです。
…ああ、正規の電気信号と同一の周波数の電波を出して、通信機器を使えなくするあれか。
…なるほど、妨害電波を使ったとなれば、かなり手の込んだ計画的犯行と思われる…事件の犯人を絞る重要な情報だな。
…その必要はありません。実は、心当たりがある人を一人だけ知っています。
…控え室に罠を仕掛けて、私たちを殺すことが可能だった人物…
…彼女は、おそらく機材の準備と偽って、部屋に罠を仕掛けたんです。…ドライアイスも、ステージの演出に使うものだと言えば怪しまれませんしね。
妨害電波を送出する装置自体、小型サイズのものもありますし…校内に持ち込む事は可能かと。
…一応、事前に用意した犯人の似顔絵です。見ますか?
林野さんは、繊細なタッチで描かれた女性の似顔絵を見せる。
…よくできました、お嬢ちゃん。…でもね、まだこれで終わりじゃないのよ。
(この後、僕らは、家並さんを狙う強大な闇の存在を知る事になったのだった。)
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