第10話 湯けむり殺人事件
文字数 1,031文字
ふっ…ついにこの時が来たか…
(家並さん…めちゃくちゃ楽しんでる…)
…あまりはしゃぎすぎるなよ。
ふっ…。
18:00 女湯
はー…極楽極楽…
うぉあぁああああああああ！！
ガラガラガッシャーン
むむっ、何だ今の音は！！
男湯の方からじゃない！？
事件の予感がする…
急ぐぞ！！
家並さんは、バスタオル一枚巻いて走り出した。
えっ！？ちょっと、服くらい着なよ！！
男湯
事件か！？
や、家並さん！？
ここ、男湯…
そんな事より、中で事件が起こったんじゃないのか！？
男子達の視線が、家並さんに集中する。
…なんだその格好は！！
ふ、服くらい着ろ！！
天明君は、顔を紅潮させながら、ワイシャツを差し出す。
ふっ、感謝する。(羽織る
それより、被害者は？事件の状況は！？
家並さんは浴室に入り、周りを見渡す。
ー！！
そこで見たのは、泡を吹いて倒れている男子生徒の姿だった。
…脈はあるようだ。
…とりあえず、この汚い一物をなんとかしてから調査を進めるか…
家並さんは、近くにあった桶を男子生徒の股間に被せてから、念入りに調査を進める。
男子生徒湯けむり殺人(未遂)事件
被害者
江炉井 助平(えろい ひろたか) (14)
後頭部を負傷し、意識を失う。
…頭から血が滲んでいるな。
普通に転んだだけなら、こうはならないだろうな。
…ん？
やけに桶が多く散らばっているな。
…これは…
…とりあえず、次は証言を集めるか。
俺？俺は、脱衣所にいたぞ。
叫び声？…聞こえなかったな。
この部屋、防音だし。
僕も、天明君と一緒にいたよ。
…なるほどな。中で何が起こってるかはわからない、か。
…誰か、被害者を恨んでいそうな奴を知らないか？
いや…そんなの、いっぱいいるだろ。だって、江炉井だし。
ぶっちゃけ、あいつは普段の行いが悪すぎて、正直ざまぁwwwって思ってたしな。
…なるほど、嫌われ者、か。
動機は充分じゃないか？
家並さんは、男子達を睨む。
だから、俺らじゃねえよ！
っていうか、なんでお前はすぐに駆けつけて来れたんだよ！
いきなりタオル一枚で乱入してきやがって…なんで中で江炉井がトラブってるってわかったんだよ！？
…なんだ。不服か？
そんなに私が乱入してきたのが嫌か？
…いや、それに関しては本当にご馳走さまでした！
…じゃなくて、なんですぐに駆けつけて来れたのかって聞いてんだよ！！
…それは、叫び声を聞いたからだな。
は！？俺らにだって聞こえなかったんだぞ！？
なんでお前に聞こえるんだよ！！
…！！
…わかったぞ。なぜ、この事件が起こったのかな。
みんなも、よく考えてみたまえ。
