第18話
文字数 975文字
大樹とは不定期だが、ラインで情報交換しあう仲になっていた。あのまま別れてしまうのが寂しかったサチは、じいちゃん、ばあちゃんの情報を送ってほしいと大樹にお願いし、サチのお願いに素直にのってきてくれた感じだ。
学校のことや村長である両親のことも、まめに報告してくれていた。
学校に棲みついたチビが行方不明になってしまったこと、佐々木先生が新しい教頭に就任したことーーなど、すぐにでも飛んでいって確かめてみたいことばかりだった。
お母さんの知り合い、中川アタルちゃんが、いずみ園に入ったのに十日経っても大樹からは何も連絡がなかった。サチは大樹から様子を聞きたくて、ここ数日は、ラインを気にしていた。それなのに大樹から連絡はなかった。今までの大樹なら、ちょっとした村の変化も報告してくれていたのに。
サチは居ても立っても居られず、何か変だなと思い、思い切って聞いてみた。
[大樹、元気?中川アタルって女の子がいずみ園に入ってきたと思うけど知ってる?]
しばらくして
[うん、知ってる。ちょうど今、ここでご飯食べてる。今日は泊まって行くって]
[えっ、なんで?]
[いずみ園の園長先生が、いろんなことを体験させてあげたいって。お父さんも協力して川へ行ったり山へ行ったり、サチ姉のおじいちゃんのとこにも泊まったりしてるんだよ。きいてないの?]
[へー、で、その子、元気になったの?]
[うん。最初は全然話してくれなかったけど、今は限られた人とだけだけど、少しずつ話をしてくれるようになったんだよ。園の作業も手伝ってくれるようになったんだ。この前は村の図書館で借りてきた紙芝居を園の子供達に読み聞かせしてくれたよ。一緒に砂遊びもするようになってるかな]
[そうなの。じゃあ、少しずつでも良くなってきてるということなんだね]
[うん、多分。来月、東京に戻るって言ってた]
[大樹、その子のこと好きになった?]
[何いってんだよ、サチ姉……僕はお父さんとお母さんの手伝いをしてるだけだよ。優しくて強い男になれってサチ姉が言ったんだよ。だからその言葉を忘れずに頑張ってる]
[そうか……そうだね。大樹は偉いよ。じゃあまた、いろいろと教えてね。おやすみ]
[うん、またね]
優しくて強い男になれーーか……確かにそう言ったけどーー
サチは大樹に対して弟以上の何かが芽生えていると気づきはじめていた。
学校のことや村長である両親のことも、まめに報告してくれていた。
学校に棲みついたチビが行方不明になってしまったこと、佐々木先生が新しい教頭に就任したことーーなど、すぐにでも飛んでいって確かめてみたいことばかりだった。
お母さんの知り合い、中川アタルちゃんが、いずみ園に入ったのに十日経っても大樹からは何も連絡がなかった。サチは大樹から様子を聞きたくて、ここ数日は、ラインを気にしていた。それなのに大樹から連絡はなかった。今までの大樹なら、ちょっとした村の変化も報告してくれていたのに。
サチは居ても立っても居られず、何か変だなと思い、思い切って聞いてみた。
[大樹、元気?中川アタルって女の子がいずみ園に入ってきたと思うけど知ってる?]
しばらくして
[うん、知ってる。ちょうど今、ここでご飯食べてる。今日は泊まって行くって]
[えっ、なんで?]
[いずみ園の園長先生が、いろんなことを体験させてあげたいって。お父さんも協力して川へ行ったり山へ行ったり、サチ姉のおじいちゃんのとこにも泊まったりしてるんだよ。きいてないの?]
[へー、で、その子、元気になったの?]
[うん。最初は全然話してくれなかったけど、今は限られた人とだけだけど、少しずつ話をしてくれるようになったんだよ。園の作業も手伝ってくれるようになったんだ。この前は村の図書館で借りてきた紙芝居を園の子供達に読み聞かせしてくれたよ。一緒に砂遊びもするようになってるかな]
[そうなの。じゃあ、少しずつでも良くなってきてるということなんだね]
[うん、多分。来月、東京に戻るって言ってた]
[大樹、その子のこと好きになった?]
[何いってんだよ、サチ姉……僕はお父さんとお母さんの手伝いをしてるだけだよ。優しくて強い男になれってサチ姉が言ったんだよ。だからその言葉を忘れずに頑張ってる]
[そうか……そうだね。大樹は偉いよ。じゃあまた、いろいろと教えてね。おやすみ]
[うん、またね]
優しくて強い男になれーーか……確かにそう言ったけどーー
サチは大樹に対して弟以上の何かが芽生えていると気づきはじめていた。