第19話 空き地整理

文字数 1,197文字

 仕事も酒も入らず、しかも赴任先にいて家族と過ごさない時間にしか、レイアウトに向き合えない。しかもプロ野球シーズンはどうしても放蕩息子のようなハマの球団が気になる。この頃、例の先輩の贔屓球団を雨の中で倒し、三位から日本シリーズに進んでしまった。だからレイアウト作りはせいぜい月に一、二回というところ。それでも着々と進め、約一年半が経った。町の状況を確認しておこう。例によって盲腸線の駅を正面に見て方向を決める。レイアウトボートは正面の辺が少しだけ長い正方形のような長方形で、この辺を横の辺とする。駅側からみて奥方向を縦の辺と呼び、駅は右に、その反対は左とする。

 手前横の辺とレールの間は左側手前の頂点に至るまで、ボードのベージュ色がむき出し①。ここは左のカーブで電源を取るためのむき出し箇所に繋がっている。盲腸線に小さな駅舎はあるが、駅前も全く未整備。駅ホームの先、これはさらに手前側横の辺に向かってくる方向だがそこに踏切。もうここは手前の頂点に近い。踏切を渡って奥に舗装道路を延ばしているが、その道路の周辺はむき出し②。カーブレール沿いのモルタルアパートを横目に進むと畑に到達。その奥に丘。この丘が植林を保留しているところで、その先は奥側の横の辺。つまりこの辺りが左奥の頂点にあたる。未塗装の川が出来上がっているところだ。この川から小川が分岐し、右側のカーブレールを跨いで地主の田畑への用水路となる。カーブレールの内側にある田んぼと地主の藁葺家屋は紙ヤスリの未舗装道路でつなぐ。少し空いたところに小さな丘を作っていて、丘の左に木造アパート。右にはカーブレールが走り、その向こうがモルタルアパートという配置。駅に向かう盲腸線とエンドレスの分岐となるポイントの傍で、アパートの間あたり。この付近もまだボードがむき出し③
 木造アパートは牧場前ロータリーのすぐ横にあり、牧場ロータリーから手前に延びてくる舗装道路は、エンドレスの直線部分にかかる踏切に繋がる。この舗装道路はしっかりした二車線。センターラインなどが手書きで不格好である。そしてこの道路の右、木造アパートとの間に半端な空き地④がある。左側は牧草地帯。この舗装道路の左側と、ロータリーから奥、そして左辺寄りのカーブレール一帯も牧草地帯。小さな丘をいくつか作っているが、基本は牧草。草原のイメージ。牧場ロータリーの近くにはバラストの端に柵を立てている。ちょうどレイアウトの真ん中あたりも牧草だが、ここに牛舎を置いている。その牛舎と地主の家屋の間には桜のある丘がある。

 用途がしっかり決まっていない土地が、太字の四か所はある、という状態だった。一番面積が広いのは①だが、ここに作るとすれば駅から延びる道路と、いわゆる街的なものとになろうか。②は畑か空き地か、住宅か。そんなところだろう。③④は半端なのでむしろ悩む。うーん、仕事時間が勿体ない。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み