第25話 「トクサツガガガ」

文字数 1,194文字

 ここで年明けに時間を戻す。追い込み作業を行いながら、僕はあるテレビドラマにドハマりしていた。二〇一九年一月からエヌ・エイチ・ケーのドラマ10(テン)で放映された「トクサツガガガ」である。丹羽庭さん原作の漫画も名前くらいは知っていたが、未読であった。番宣で本格的な戦隊モノが作中劇として挿入されている、というところにもっとも魅力を感じての鑑賞であった。単身赴任中であり、番組選択権は独占している。一話目はリアタイ視聴したのだが、これがもう、感動。

 特撮好きの女子、という設定だけでも興味深かったのだが、それが特撮であれ鉄道であれ、好きなものを隠して生活するという状況に、共感の嵐だった。もちろん年齢を重ね、金銭的自由を得、更に時代も変化した。なのでそれほど窮屈な生き方ではないのだけれど、これまでのカクレ的な想いを全て表現してくれていた。
 そしてもちろん、主役の小芝風花もツボだった。あんな可愛いオタクはいないだろう、なんて鑑賞中に思ってはいけない。余談だが、今でもユーチューブなどで視聴できる鉄道系の動画は、「電車男」に出てくるようなダサめな男と、アイドル全開の女子が登場することが多い。世間のイメージはいまでもこれなのだ。
 毎回録画し、ほぼ全話を三回以上は観た。ブルーレイ(円盤)とサントラも買った。サントラなんて高校生以来だし、テレビ番組のブルーレイに至っては人生初の購入である。主題歌がゴールデンボンバーなのも嬉しい。サントラに入っていないので、シングルまで買ってしまった。おかげで送別会では「ガガガガガガガ」をほぼ完璧に歌いまくった。ブルーレイを持っているのに、再放送もしっかり観た。

 同時期、別のドラマで横浜流星にハマっていた後輩女性がいた。彼が「トッキュウジャー」という特撮番組に出ていたことを教えた。ちょうど息子が幼稚園時代に放映されていて、僕は一緒に観ていたのだ。横浜流星はけん玉が得意なトッキュウ四号である。後輩はその直後、「トッキュウジャー」を全編視聴していた。「トクサツガガガ」の作中で主人公が仲間を作るためにやっていたのと同じような行動を、期せずして自分がとっていることが面白かった。あっ、暇な職場だ、などと思われては困るのだが。
 そしてその彼女もブルーレイ、サントラと購入し、更に写真集まで買ったと自慢する。ちなみに彼女は二児の母である。横浜流星の写真集は全く羨ましくないが、小芝風花の写真集もちょうど発売されていた。迷ったが、これは……買いませんでした。いや、他の出演者やスーツ(変身した格好)なども載っている、つまり番組の写真集なら絶対買ったのだろうが。餞別の品に入っていることを(少しだけ)期待していたが、それも無かった。全く、後輩教育には失敗した模様だ。
 三月一日が最終回で、本気のガガガ・ロス。そんな中でレイアウト制作は、最終段階を迎えたのであった。
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