今までのあらすじ
文字数 1,239文字
州国の格差社会は堅牢、シナモンの居住区は貧困層エリア。
同じ底辺高校に通うチームメイト、ナツメグ、カルダモン、バジル、ヒノキ、男子メンバーのコウジ、サンショウ、ミリン、ゴマ、そして保健室のサフラン先生とボディガードのグリズリー君とともにインナーバトルフィールドで戦う日々。
チームのレベルに合わせて、卑近な犯罪者から果てはカルト宗教、反社組織、テロ組織などの殲滅を行う。
バトルの成果で国債奨学金ポイントが支給されるのだ。
底辺から成り上がるため、国債奨学金ポイントを貯めて州立防災技術開発大学校(通称 防開大)へ推薦入学し、ひいては特権階級である上級州国民になることを目標にかかげていた。
上級州国民であり特殊犯罪先端捜査スーパー特区プロジェクトの代表である大学名誉教授、立川ワサビの孫、立川セージであった。
立川セージは性犯罪の常習犯であったが、あらゆる法の抜け穴を使い、罪に問われないでいた。
シナモン達は上級州国民を目指すことの虚しさを知ると同時に、統括センター長の洗脳を解くのであった。
渋めの土木・金融系スキルの使い手であったシナモンだが、追い詰められ土壇場で大技『不良債権償却(ブラックホール)』を繰り出す。
立川セージとそこに居あわせた国民的プロパガンダ俳優内海ジンジャーもろとも、隣接異次元に廃棄した。
センター長はシナモンのスキルの軍事転用を見据えたのだ。
捕まれば運営からの足抜け者、裏切り者として死骸化調整区域へ廃棄されるであろう。それならば、先回りして死骸化調整区域へ潜伏したらどうかとシナモンは提案する。
メンバーはそのアイデアに賛同。
公立トップ校在籍のクローブも洗脳を解き仲間に加わった。
焼却炉と原子炉が連なるというイメージが固定されていた死骸化調整区域であったが、実際に侵入してみると、限界集落ともいうべき長閑な自然あふれる景色が広がっていた。
先住民は出世のルートから大幅に外れた州国公務員2名。
シナモン達は一緒にスローライフを楽しむのであった。
廃棄した立川セージと内海ジンジャーがスペアを再起動したのだ。
立川セージと統括センター運営は、足抜けした者の処罰と異能者を確保するため、討伐隊を結成するプランを稟議にかけていた。