第26話 バトル開幕! バジルVSルクリア

文字数 963文字

魔方陣(ポリゴン)の中で見つめ合うバジルとルクリア。
ツワブキ工業団地の被災地訪問ライブが最初だったね。覚えているよ。

それからイベントにもたくさん来てくれたね。

…………
急に消えてごめんね。

廃棄されそうになって、運営から逃げていたの。

ずっと、ずっとアイドルだって言っていた。

だから信じていた。

言葉を詰まらせるルクリア。


それをじっと待つバジル。

変な、誠実ではない、なんて言ったらいいんだ。

つまり、本心が見えない男と、ずっと一緒にいるじゃないか。

あの薄いブラウンの髪の、ニヤけた男。

あいつ、いざとなったら逃げるタイプ、僕はわかる。地に足ついていない。


カモミール国の格言にある。

『地に足ついていない人間はここに生きていない』

バジル、あんな男選ばないで。もっと真面目で大人な男を選んでよ。

もしかして、もしかしてだけど、チャイのこと?
僕、辛いとき、バジルに助けられた。

だからバジルには悲しい気持ちになって欲しくない。幸せと一緒にいて欲しい。


僕、バジルの歌とダンスで、モノクロだった世界に、色と音楽があふれてカレイドスコープになった。

このオーロラみたいに。

サフラン先生と出会ったときの僕と一緒だ……
モニターを見て驚き、ドキドキするグリズリー君。


びっくりして固まるバジル。

僕、ずっとそれを言いたかった。(苦笑)
(笑い出す)もう、やだ。

チャイは今のところ単なるマネージャーよ。変な誤解しないで。

あ……そうなの? 本当に?

(バジルの目をジッと見つめる)

ルクリアはマイスイートハニーだよ。チームメイトになろう?


(ルクリアの目をジッと見つめる)


一緒ならきっと楽しい。

(何度もうなずくルクリア)
緩衝地帯(バッファー・ゾーン)内。
バジル、なに勝手なことしてくれてんだよ。

こいつのアラート読みにくいのに。

でもこいつのスキル、工作(マイクラ)ってちょっと興味ある。
俺も同じこと思っていた。
(サフラン先生との出会いを回想して感極まった様子)


僕は大歓迎だよ!

なんか俺ひとりだけディスられて損しているんだけど。
凄腕スキルのエリート特殊工作員なのにね。
《ネットのコメント欄》


〈出て来た 出て来た〉


〈バジルと手を繋いでいるよ!?? なにが起きた?〉


〈バジルの呪いにかけられた?〉


〈バジルのコロニーにようこそ。先輩として歓迎するよ〉


〈3人目陥落 あと残ったの誰だっけ?〉

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