第15話 新メンバーを紹介するぜ

文字数 1,130文字

モカがリニアで調整区域9番ゲートに到着する。

後ろに小柄な女子中学生を連れて。

モカ先生、ここには原発があるってニュースで見たことがあります。
ビオラちゃん、それはフェイクニュース。ここの村長さんが流したデマなの。

自然がいっぱいで長閑でとてもいいところよ。

丁度よいタイミングで海からアプローチ航路を通り、境川ゲートに到着したキャラバン隊。

船を停泊し、元気よく丘を登ってくる。

おやっさん、最高のクルージングだった。もう船酔いしないぜ。

(ハイタッチ)

私のスキルはまったく錆びていない。

それが再確認できて有意義な旅だったよ、カルダモン君。

あ、モカさーん!
ナツメグちゃん、久し振り、元気だった? 

私は見ての通り元気、心の体も軽くて生まれ変わったみたいよ。

公民館前広場に全員集合
新メンバーを紹介するぜ。

まずは歳の順で、ナンテン教授! イエーイ!

あ! 教授お疲れ様です、ささ、こちらへ、お掛けください。

ゴマ君、お茶お願いできる?

教授、温かいものと冷たいもの、どちらがいいですか?

ゴマ君、温かい方でお願いします。


(チャイのいつもの冗談かと思ったら、本当だったんだ。昔は海洋州国防学の重鎮だったのに、スピリチュアルに傾倒しちゃった教授。俺、憧れていたんだよ)

アールグレイ君、お気遣い無く。ご縁があってここまで来ました。

メンバーが集まるまでの繋ぎをしますよ。いわば補欠ですね。

補欠じゃ無いわよ、ナンテン教授はもう私達の大切なメンバーですからね!
教授がメンバーだなんて幸先いいですね。
あとで教授にスキルの話聞こうぜ。

ミリタリー系のめちゃくちゃカッコいいスキルらしいぜ、羨ましいよな。(真剣)

(多分教授に話し振ると、天使と悪魔のトンデモ話始めちゃうよ。あー落ち着かないな)
(アールグレイがソワソワするのを見て)

続いてはこちら、えっと、リコリスちゃん……

サフラン先生とリコリス、いつの間にか手を取り合い、お互い言葉にならず涙をこぼしていた。

一緒にグリズリー君も涙ぐむ。

リコリス、ずっと会いたかった……
サフランお姉ちゃん、樹海で遭難したかと思っていたの。本当によかった……
(おっと、儚げな美女2人、絵になるねぇ)
ぼーっと見とれるクローブとゴマ、ヒノキと村長さん。


そのとき、モカの後ろに隠れていたビオラが前に出て、

ビオラです。

みんなの足を引っ張らないよう頑張ります。

なんでもしますから、ここに置いてください。お願いします。

(決意した表情で深々と頭を下げる)

クローブです。

ビオラちゃん、ここではみんな対等なの。老若男女、教授も中学生も同じ立場よ。

卑屈にならないで堂々としていていいの。これからそういう発言はNGだから。


(だんだんエキサイトしてきた)いじめ、差別、虐待、絶対撲滅!!

クローブさん……
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