第6話 リコリス(高校1年生)のご主人様

文字数 593文字

ハイヤーを降り、玄関で靴を脱ぐとドカドカと廊下を歩く男、ヒイラギ。

国立工業東京大学2年生。上級州国民の祖父を持つ。

一族が経営するのはレーダー・精密機器を扱う軍需産業。

リコリス、どこ? リコリス!
あ、はい、ここにいます。

お帰りなさい、ヒイラギさん。

俺、今から風呂入るけど、俺が出たらすぐ入って。

それで20分くらいで寝室に来て。

今週もお忙しいんですね。
リニアがあっても東京から遠いからな、ここ。大学の実験が忙しいんだ。
(小さく呟く)大学か、いいなぁ。
リコリス、高1だっけ。

ずっとやっている薬草の精製だって苦手なんだろ? 

リコリスに大学なんて無理だよ、おっと、お喋りしていたら時間が無くなる。


それとも風呂、一緒に入る?

あ……私なんかが一緒に入ったら、お湯が汚れてしまう。
……いや、大丈夫だろ。今は差別は無いって学校で勉強しただろ?
でも、上級州国民の血筋のヒイラギさんと私じゃ、身分が違いすぎて。
いいから、ほら、一緒に入るぞ。
あっ、ダメですよ。
俺の言うことを聞け。
広いお屋敷、ヒイラギの寝室にて。
リコリス、少し胸大きくなった?
知らないっ


あ、ごめんなさい、乱暴な口をきいてしまって。

いいよ、二人きりなんだから。
私なんかで……よかったんですか? 

若い女の子が私くらいしかいなかったから、なんか申し訳なくて。


瞳の色もみんなみたいに宝石色じゃ無いし。

リコリス……もう黙って……

(キスで唇をふさぐ)

ん……
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