第45話

文字数 511文字

 サイコロの『1』の出る目は1/6。これは何回振っても変わらない。6回振ればそのうちの1回が必ず『1』が出るわけではない。しかし条件が変われば確率は変わる、それが『ベイズの定理』

 ベイズの定理……事象Aが起こったという条件のもとで、事象Bが起こる確率。
 イメージは殺人事件が起きた;容疑者を絞り込み、証拠を集める(=条件が増える)ことで『犯人確定』への確率は変動する。

「ふーん。危ね、全然知らなかった。俺『1/2』って答えるつもりだった」
「あたしもそう思った。一弥、よく分かったね」

 二人の感心が心地よい。ちょっとした優越感だ。役に立ったこと、そして全国大会への切符を手に入れられたこと。そして何よりまたこの3人でこのワクワクした冒険が続けられることに喜びと興奮が隠せない。

「これは『モンティーホール問題』といって有名な問題なんだ」

 解答者が司会者の口車に乗って選択を変えた場合、
 最初に当たりを選んでいたのなら → 必ず外れる。
 最初にハズレを選んでいたのなら → 必ず当たる。

 よって、最初にハズレを選ぶ確率を求めればいいので、2/3 となる。問題文の『重要』部分が正に肝である。

 俺たちの熱い夏はまだ続いていく……。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み