第74話 観光公害

文字数 906文字


共存か捕食かは人間のタイプにも当てはまる。

優位に立ち よりよい環境を得ようとするのは自然な行為だが、枠が一つしか無ければ苛烈な競争となる。
選出する方は合理的に優秀なものを選べるので効率が良いが、選ばれようとする側は才能なり実績なりで出し抜かねばならない。 共存が成立しないので”他人を喰う”とも表現する。

日本人は元来定住農耕民族なので、共存に向いている性質だと言われる。
共存性の強い仕事と言えば社会インフラに関わる業務だが、他人を出し抜こうとする人はインフラ関連の仕事を下に見ようとしている気がする。

何をどう思っても自由だが、役に立ってる職種には敬意を持つが、詐欺のように財産をかすめ取る仕事は尊敬しない。


「観光公害」
オーバーツーリズムが問題になっている。

”観光客が訪れて欲しいが、地元に影響が出るまで来て欲しくない”という矛盾がある。

鎌倉散策が趣味で2004年頃はよく出かけていた。
鎌倉に観光客が増え始めたのは、スマートフォンが普及してSNSに写真がアップされるようになってからではないだろうか。
海をバックに江ノ電が横切る光景はCMなどでもよく使われていて、鎌倉高校駅も人気スポットだったが、TVアニメ「SLAMDUNK」を見ていた海外の観光客が訪れるようになってからは、一般道で撮影する人間が増えてしまい、オーバーツーリズムの象徴みたいになってしまった。
一般道ではない撮影用疑似踏切を作るぐらいしか策は無いが、仮に実行したとしても完成する頃にはブームも去っているだろう。

自分も観光をする方なので撮影スポットには行きがちなのだが、道路が一車線でで相互通行道路の先にある場所へ観光バスが無理矢理行くのも 幾度となく見た光景である。

観光は、移動した価値観を満足させるためのものなので、移ろいやすいところに問題がある。
移動した、費用をかけた分の満足感を写真で実証出来るようになったことが、観光のターニングポイントであるなら、交通の便の良い土地に積極的に施設誘致するのがこれからの観光になるかもしれない。
具体的に言えば、何も無い場所に観光資源を見つけ出せる発見スペシャリストの要請であろう。


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