第53話 撤退判断

文字数 1,016文字

あたたかい人というのはどんな人なのだろう

誰にでも親切な人を温かい人ということが多いが、
親切にされた側の判断であって、その人に無視された人は温かい人とは思っていない。

高い人徳があったにせよ、手当たり次第 誰にでも親切心を発揮する訳ではないので、
「選別され温かいと思わされた人による判断」という穿(うが)った言い方もできる。

「親切にされない側」を拗ねても仕方ない。親切心を万事期待するだけ無駄といえる。
困った人を助ける側で災害ボランティアに行こうかと思うものの、自分の体力では泥のかき出し小一時間ぐらいでへたれ込んでしまう。
熱中症で倒れて迷惑をかけるぐらいなら、現場に行くだけの交通費を募金した方が良いと思っている。はりきってむやみに無理しないことも大事であろう。

わたしは「困っている時に手を出さない冷たい人」のほうだと思っているので、温かい人と言われることは無いだろう。
某NPO団体に募金は毎月している、形式的な礼状が届くぐらいで温情というのは極めて低いが、まあ体温を保てる程度にはなっているかと思う。

何ひとつもしない人が良い悪いで判断しても仕方が無い。
きっかけがあるかどうかを判断するのは人それぞれなのだ。

「撤退判断」

駅からとある目的地に向かって歩き始めた。
Googleナビだと徒歩2時間15分だが、平坦地なのでまあ歩けるであろうという判断である。
普段からアップダウンのある場所をウォーキングしていることに比べればたいしたことが無い。

徒歩40分ぐらいでこれはまずいぞと気がつく。
気温が30度超えの夏日なので思いのほか体力を削られる。
日陰を歩いていても暑い。
水筒代わりのペットボトルは一本携帯しているが、この先補給できる自販機なりコンビニがあるとは限らない。

念のため路線バスの時間表を見ると10分後に来る。その後はもう無い
残り距離は約6キロ。 
運動不足の折、歩いておきたい気持ちはある。

何かあっては遅いのでバスに乗ることにしたのだが、乗り方がわからず交通ICカードで慌てて少々恥をかいた。
バスに乗った後、歩いて行くにはうってつけの景色が良いルートが続いたので惜しいと思う反面、何かあった時の体力温存ができてよかったと思うことにした。

最終的に
目的地でタクシーを呼んでもらって戻ったので、慎重と言うよりなまけものの方に傾いてしまった。
ハードな歩き方をする際に、未知の場所ではやめておけというのは鉄則かもしれない。

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