第32話 夏祭りの夕べ

文字数 1,022文字

差別は何故発生するのか?

関東大震災の発生日が近づいてくると朝鮮籍人殺害事件の話もセットで出てくるが、これを差別問題で片付けようとするのは抵抗がある。

差別の発生源は社会性であると考えている。 

関東大震災の発生したのは1923年、朝鮮併合(韓国併合)は1910年。
朝鮮半島からも日本に出稼ぎに来るようになり、都市部>地方>外来者のヒエラルキーに組み込まれていたのは間違いない。
語学学習も満足に無く日本に来た片言で話す労働者が壮絶にいじめられていたのは想像に難くない。

震災発生後、「不逞鮮人や共産主義者の放火や毒物投入があった」と報道したのは大阪朝日新聞、東京日日新聞等で、これを機にパニック化して各地で殺害行為が発生している。
流言飛語の報道から発生した事件であって、差別問題は根源ではあったものの、結びつけが無ければこのような事件には至っていない。
主犯は扇情的に書き連ねたマスコミにあるが、これを民族的差別に置き換えてごまかそうとする風潮がある。

突如として社会が崩壊する災害時には、「パニックから行動を起こすのを慎むべし」、「普段から復讐に覚えがあるような言動行動を止めるべし」の2点が大事な部分で、特定差別の話に結びつけて語ろうとするには疑問がある。

差別は社会構造から生まれるので、出身学歴資産容姿などで社会的優位を誇る人間ほど復讐を怖れて、この手の流言飛語に乗りやすいと考えている。

「夏祭りの夕べ」
近所の神社で例大祭があったのでぶらりと出かける。
氏子会には入っていないが都度寄進と定期的な参拝はしている神社だ。

日中はまだ暑く熱中症もあるので夜からの奉納芸能を見にいく。

祭りの雰囲気というのは独特である。
普段日暮れ後はほぼ暗闇となる境内に提灯による明かりが灯される、LED光源であっても紙提灯を通すと風情が出る。
屋台が出て甘い匂いとソースの匂いが渾然となるのもいい
日常と違う空間に子供のテンションは高まり、親は子供の浴衣姿を写真に撮ろうと一生懸命になる。
芸能の人に気持ちよく奉じてもらえるよう、拍手をしたり曲に合わせて手拍子したり。拍あわせが出来てない手拍子になったときは大手を振ってみたりもする。

芸能が終わり家路につく
上を見上げると真夏の夜雲が鮮やかに出ている。雲と夜空のコントラストがきれいに出ている昼とは違った空の姿だ。

コンビニでノンカフェインノンシュガーのコーラを買って飲んだ。
2023年の夏は堪能できたと思う。

おもしろかったらまたどうぞ
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み