第17話 猫玄関、封鎖

文字数 851文字

母猫を子猫たちから引き離して捕獲するため、猫玄関をダンボールで塞いだ。
しかしさすが元ノラ。ダイちゃんは器用だ。
どれだけ頑丈に塞いだつもりでも、簡単にバリアを破ってしまう。
そして『とうぜん、ごほうびがもらえるはず』と、ドヤ顔で特別おやつを要求する。



よし、救援を要請しよう。
休養日でご在宅の区長さんに、無償労働をお願いすることにした。

朝っぱらから、突撃隣の区長さん。

 ピンポ~ン♪

「もっと早く言ってくれればよかったのに」
いくらでも手伝うのに、とおっしゃってくだった。

私が何やらごそごそしているのは、ご近所だから丸見えだ。ずっと気になっていたのだろう。
すぐに電動ドリルと板を持って来て下さった。



あっという間に猫穴が厚い板で塞がれた。
これでダイちゃんが全体重【5.06㎏】をかけても破れない。
捕獲器を2カ所に設置していただいた。

今、農村では稲がすくすく成長中。
水の管理で大変なのに。
お仕事と村の役職の両立で疲れておられるだろうに。
せっかくの休日だったのに。
ありがとうございます。

* * *

感謝の気持ちを胸に、私は子猫たちと遊ぶ。
子猫たちの受け入れ先を探してくれている仲介天使から、
「懐かせておいて下さい」
とのお言葉があったので、精一杯ご機嫌取りをさせていただく。

まだ見ぬ里親さん、可愛い子猫たちがお迎えをお待ちしています。


* * *

子猫たちに名前をつけた。
情が移ると別れがつらくなりそうな気がして、毛色をそのまま名前にした。
黒猫は二匹いるので、目の色で区別する。

シャム色猫たちが好きだったねこじゃらしで遊ぶ。
真っ先に反応したのは、サバ。



他の子猫たちも興味津々。そろそろと近づいてくる。
気に入っていただけたようだ。




遊んでいると、個性がはっきり見えてくる。
他の子猫たちとの違いを見せつけてくれたのが、キジ。
『モケモケがうごくのではない…』
そう気づいて、直接私の手を狙いに来た。侮れない。



遊びつかれて、ひとやすみ。
パパのまねをして、毛づくろいをしている。



キジだけはダイちゃんの実子かもしれないな。ふと、そう思った。
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