第1話 はじまり

文字数 341文字

ダイちゃんがどこから来たのか。
私は知らない。

どこで生まれたのか。
どんなお母さんから生まれたのか。

気がついたら、ダイちゃんはそこにいた。

「小さい猫がいる」と妹が言った。
小さい猫は、よく見るとおっさん顔だった。

ぼさぼさの毛皮が、だいだい色に見えたので
『ダイちゃん』と呼ぶことにした。

今から一年と少し前。
夏の初めのころだった。

2019年 10月 22日



***

ダイちゃんが寝ている。


 野猫。
 どら猫。
 自由猫。

どんな猫でも、
寝ている姿は幸せそうだ。
どれだけ見ても見飽きない。

まるで動きがなくても。
たとえどんなに

ブサイクであろうとも――。


無防備にもほどがある。


お?


寝返りだったのか。


本当に
どれだけ見ても、見飽きない。

 ノラ猫、ど猫、自由猫。

幸せそうな姿を見ていると、
こちらも幸せな気分になる。
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