第15話 2021.2.15 酔っ払いと帰京

文字数 3,197文字

7時にアラームが鳴る。私が目を覚ますと、夫も隣のベッドで目を覚ました。お湯を沸かしてアーサースープを飲ませてあげる。
二日酔いというより、まだひどく酔っ払っている。話が支離滅裂で、同じことを何回も繰り返している。毎回丁寧に答える。

自分の帰り支度はほぼ昨日終わらせていたので、メイクをして着替えて残っていた分を全てスーツケースにしまう。
何時に出ようかな〜と思っていたら、夫が「空港で朝ごはん食べたいから早めに行こう」と言う。それなら当初想定していたより30分早く出ることにする。
しかし夫はアーサースープは飲んでも未だに裸でベッドでゴロゴロしていて、全く帰り支度をしていない。仕方ないので夫の荷物を全てスーツケースとリュックにしまい、洋服を着せる。財布を見たらすっからかんになっていた。

2時間ほどかけて夫は歩けるようになったので部屋を出てチェックアウトをする。無事1名分の領収書をもらえる。

空港までゆいレールで20分くらいだった。酔っ払いの夫が路上でこっそりムスコを見せたりしてくるのを相手しながら、コロコロを引きずり歩いておもろまち駅に行き、そこから電車に乗ると、まさかの通勤ラッシュだった。考えもしていなかったので驚く。沖縄の人はみんな車で移動していると思っていたので、まさか朝ゆいレールに乗っているとは。。座れなかったので夫はしんどそうだ。「気持ち悪い」「吐きそう」と言うので周りの人も不安そうだ。少し時間に余裕もあるので一回降りてトイレ行く?と言ったら「なんで余裕あるのに俺を起こしたの?」と責められる。朝ごはんを空港で食べるためだよと言ったら「そっか」と言っていて可愛かった。
県庁前駅でほとんどの乗客が降りたのでやっと座った。座った途端夫が元気になってただの酔っ払いになってしまい、電車のアナウンスの「〜シックス」に反応して「セックス!セックス!」と大きな声で私に言ってきて恥ずかしかった。

空港に着いてご飯を食べようと思ったが、またもや新型コロナウイルスの影響でやっているレストランが少なかった。なんとか空いてるお店はあってもメニューが限定されており、食べたかった沖縄そばが食べれない。だし汁が飲めない。
しょんぼりしたが、食べられるメニューにカレーがあったので夫が「カレー!食べたい!」と言うのでお店に入る。
ちなみに夫は電車でも空港でも歩いてるお姉さんやおばさまを見るたびに「セクシー!」「可愛い!」と言い続けていて、私に嫌な思いをさせていると思うところあるのか「離婚する?」「離婚しないで〜」と言ってくる情緒不安定っぷりを発揮している。
夫はカレー、私は和朝食セットを注文する。全く沖縄らしさがない最後のご飯になってしまったが食べれるだけでありがたい。先に食べ終わった夫は私が食べている間少し眠っていた。と思ったらスマホで私のスカートの中を盗撮していた。注意したら「ここで発散しないと他でやるよ!いいの!?」と脅してくる。

食べ終わってお会計して店を出たら、夫が「僕のマスクがない」と言うので店に戻って取ってくる。PCR検査で陰性でもマスクがないと飛行機に乗れないご時世なのだ。
余裕を持って手荷物を預けて搭乗口まで行き、時間まで夫は横になって眠り、私は本を読んで待つ。まもなく搭乗が始まったが、帰りは私たちは通路側をとっていたのでギリギリまで夫を起こさずに寝かせて最後の方に乗り込む。

席につき、夫は早速寝てしまう。私も本を読もうかと思ったが寝てしまった。通路側なのでトイレにも気軽に行けていい感じだ。私はいつでもトイレに行けるという安心感が重要なのだ。映画館も同じ理由で苦手だ。家でビール片手に飲めるのは最高に幸せだ。
夫は後ろの席に乗客がいなかったのでガッツリシートを倒して眠っている。たまに私の方に進撃してくる。可愛い。

関東は大雨で、着陸の時にはかなり機体が揺れた。飛行機の窓には大粒の雨がビシビシ打ちつけている。着陸してから雨雲レーダーを調べてみたら、1時間後には雨雲がいなくなりそうだったのでとりあえず大丈夫だろうと思う。
那覇空港と違ってやっぱり羽田空港は広い。かなり歩かされる。夫が途中キレイなお姉さんについていってしまい違う方に歩いていってしまうので連れ戻す。まだアルコールは抜けていないようだ。泡盛恐ろしい。
預けた荷物はかなり早く出てきた。スカイマークは早いのかな。

どこにも寄らずに最寄り駅まで直通で行ける電車に乗って帰る。途中窓から見える景色やちょこちょこ開く扉から入ってくる雨の勢いにびっくりして不安になる。
とりあえず最寄り駅まで行ってから考えようと夫は私の肩を枕にしてひたすら寝て、私はスマホで読書する。電車は空いているのでのんびり座って乗れてよかった。
最寄り駅までの1時間くらいの間に外は明るくなり、雨はかなり止んできたようで安心する。しかしかなり地面は濡れてるだろうし疲れているので駅からはタクシーで帰ろうと相談する。お腹が空いてきたので駅のパン屋さんで苺のパンも買ってくれとおねだりする。

最寄り駅に着いたのでヨイショと荷物を持って電車を降りる。パン屋さんでたくさんパンを買い、駅前のタクシー乗り場に行くとちょうど乗れた。まだ少し雨が降っていたので本当によかった。夫に「茶飯ちゃん説明して」と言われたが、自宅は完全に住宅街にあるのでうまく説明できない。どうせナビで検索するだろうと思って住所を伝えたが入れず、どうしようかと思っていたら夫が説明してくれた。少し走ったところで「ナビに入れさせてください」と言い出したので、さっさと入れてくれよと思いながら住所を再度伝える。
最短ルートで行ってくれたのですぐに到着した。小雨の中ささっとマンションに入る。

数日前の地震で家の中がめちゃくちゃになっていたらどうしよう、と内心不安だったのでドキドキしながら部屋に向かうと、先に玄関ドアを開けた夫が「なんじゃこりゃー!」と言うのでびっくりしながら急いで家に入ると、出る時と全く変化がない部屋がそこにあった。夫の冗談だった。びっくりした。

夫が早速買ってきたパンを温めてくれたので、その間に私は早速荷物を広げて片付け始めた。洗濯物をおしゃれ着洗いする方法がわからず説明書を読みながら夫が切ってくれたパンを食べる。少しゴロゴロしてから夫はお風呂を溜めて入っていた。私は自分と夫のスーツケースの中身を片付けて洗濯機を回す。

noteを書かないとと思いながらも、今日で無料公開が終わってしまう本が全然読み終わらないのでそっちを優先することに。
洗濯機にパジャマが入っているので、乾燥が終わるタイミングを見計らってお風呂に入る。ピーピー音がしてからお風呂を出て、乾燥が終わったばかりのふわふわなパジャマを着る。中身を全部リビングに持っていき、第二弾を回し始める。
髪を乾かしてからリビングで洗濯物を畳み、またリビングでゴロゴロしながら読書の続きをする。夫は寝室でzoomミーティングをしていたが終わらせてリビングにやってきた。
大切にしているワンピースを乾燥機にかけるのがまだ怖いので、脱水が終わったところで取り出して久しぶりに部屋干しする。部屋干しするとリビングが狭くなるけどエアコンする時はちょうどいい気もする。

リビングの大画面でも相変わらずコナンくんを見ながらゴロゴロして本を読む。布団をかけてもらっていたら段々眠くなってしまい、そのまま寝落ちしてしまう。

途中起きて寝室に向かう。そういえば洗濯機を回していたなと思って脱衣所に行ったらふんわりキープしておらず電源が切られていた。夫が切ってくれたのかなと思いつつ眠かったのでそのままベッドに入って寝る。
少し寝たらまた起きてしまったが、起き上がる気力がなくそのままスマホで読んでいた本を最後まで読み、SNSをしばらくウロウロしているうちにまた寝落ちする。
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