映画:初恋 (ネタバレなし)

文字数 1,419文字

 2020年3月、映画【初恋】を鑑賞させていただきました。

 主演の窪田正孝さんが好きな役者の一人なんですね。彼は時を経てどんどんイメージの違う役者になっていく。その過程から目が離せません。
 意識したのはドラマ【デスノート】だったのですが、あの時は「演技うまいな〜。しかもかわいい」というイメージだったんですが、それから出演作を見ていくうちに、ひょっとして彼は【イケメン】と呼ばれることに抵抗を感じているんじゃないだろうか? と思うようになっていきました。

 どうこうしてもイケメンから逃れることはできないのですが、そういうことではなく、湯葉じゃなくて豆乳を飲んでくれ。とでもいいますか、湯葉も美味しいけど表面に浮いたそれだけでなく、おいしい湯葉を生み出す豆乳の質を飲み干して欲しい。
 彼にはそんな気迫を感じるわけです。

 では、ストーリーです。
 主人公葛城レオ(窪田正孝)は無敵の新人ボクサー。しかし捨て子として育った彼は公けに人を殴ることができるボクシングを無表情で、作業のようにこなしていました。
 そんな彼がひょんなことからガンを宣告され、そんなことでもなかったらヤク漬けにされた少女モニカを助けることもなかった展開になります。
 たまたま、そのモニカが日本ヤクザと中国マフィアとの間の白い粉にまつわる抗争に巻き込まれていたがために、レオも知らず知らずの間に巻き込まれていく。
 そんななかで、レオとモニカは互いに共通する心の寂しさを分かち合い、言葉では言い表せない気持ちで惹かれあっていくわけです。
 しかし、容赦のない日本ヤクザと中国マフィアからの追跡、彼らは無事に逃れることができるのか? ガンを宣告されているレオの運命は? という感じです。

 そもそも、ヤクザの加藤(染谷将太)と刑事大伴(大森南朋)がスットコドッコイな計画を立てたがために、スットコドッコイなだけに想定外なことばかりおこって、ヤクザとマフィアの抗争がスットコドッコイな方向にどんどん流れていくわけですが、このふたりのやりとりがコミカルでおかしさを覚えるほどです。
 なんども「あーあー、ダメでしょそれっ!」と突っ込みたくなること間違いなし。

 監督が三池崇史だから(?)ほぼ全編血みどろなのですが、展開はスピーディーだし、腕や首が飛んでも、お子様は見てはいけませんが、大人なら「あちゃ〜っ」で済むのかと思われます(そうなのか?)。

 鑑賞前から「この映画、ベッキーがやばい」という噂が流れていました。まぁ、いまだにゲス問題が抜けきれない人だからなぁ(個人の感想)。というこだわりが私のなかで染み付いていたのですが、本編を見て、そのスキャンダルがあったことも手伝ってか、やばいキャラクターを見事に演じていらっしゃいました。
 ほんとにやばかったです。笑っちゃうくらい。ベッキーは頑張っているので見てあげてください。と偉そうに言ってしまうくらいです。

 ヒロインの小西桜子さんは新人だそうで、ヤク中という部分での演技が残念(目つきとかリアリティーに欠ける)のですが、彼女が見る父親の幻覚はかなり滑稽です。あの演出は愉快でした。

 ほぼほぼ血みどろな内容ですが、最終的には「まじかーっ!」というところがあり、若いふたりは生きる理由を見つけ出す。
 たいへん悪くない映画でした。

 つけたして言うなら、パトカーの数が多すぎて笑えました。
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