映画:すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(ネタバレなし)
文字数 2,329文字
2019年12月。長編アニメーション映画【すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ】を鑑賞させていただきました。
【ネタバレはなしですが、公式で発表されているすみっコたちのキャラ設定には触れています。ご了承ください。予備知識なしで見たい方はそういう意味でネタバレになるので、この先読まないことをお勧めします】
すみっコぐらしとはなんだ? まずはそこから入らなくてはならない。なにせなんの予備知識もないのに鑑賞したのですから。
子供より大人が見て泣ける映画と評判で、映画興行成績も数ある話題作のなかにおいて2位に食い込んでいるという。上映館が少ないのに平日も大入り満員でロングランを続けています。
実際私も平日の昼間に見に行きましたが、満席のほとんどが大人で、子供(親子連れ)がほとんど見当たらず、若いカップルのほうが多かったかもしれません。
とても気になる。見てみたくもなる。ファンシー雑貨を扱っているサンエックスの人気キャラクターというすみっコぐらし。
その造形は一言で言うとみんな丸い。すみっコぐらしというのはチーム名みたいなものだ。
映画を見て知る。色違いの丸っこいキャラクターたちにはちゃんと個性があり、ちゃんとした自我のあるキャラクターということに。
映画の冒頭でキャラクターそれぞれの解説があります。すみっコたちは一切声を出さないので、解説(ナレーション)をするのは、井ノ原快彦さんと本上まなみさんです。おふたりが優しく語りかけるようにナレーションをしてくれるのです。
イノッチ(井ノ原快彦)がすみっコひとりひとりの説明をしてくれるのですが、すみっコたちのキャラクター設定に顎が地面に落ちるのではなかろうかという衝撃を受けてしまいました。
話の本題に入る前からかなりの衝撃ですが、こんな基本情報はすみっコぐらしファンならすでに通り過ぎた、単なる事実でしかないのだと思います。しかし初心者には驚きの連続でした。これは予備知識がないがゆえに面白かったとしか言いようがありません。
私の推しはとんかつ(の端っこ)です。いきなりおにく1パーセントしぼう99パーセントと言われては「そんなトンカツ屋行きたかないよ!」と叫びたくもなります。お供はえびふらいのしっぽ。ふたりはいつか誰かに美味しく食べて欲しいと願っているのです。吉田戦車の椎茸(伝染るんです。参照してください)を彷彿とさせる、ファンシーキャラとは思えない設定。これが痺れないでなんだというのか。
たぴおか(の飲み残し)もすみっコにいることを知った日には「あんたたちタピオカだったの?」と大画面に向かって指を差したくなる始末。
寒がりの白クマとか恥ずかしがり屋のネコとか恐竜であることを隠している自称とかげとかぺんぎんと言い張る皿をなくしたなにかとか、からをかぶったにせつむり(つまりなめくじ)とかです。
なんかもう、公式で最初から明らかになっている情報からして初心者は涙目です。それを穏やかな口ぶりでやさしく突っ込むイノッチ。これはもう本筋への期待も膨らむというものです。
さて、本筋ですが、そんなすみっコたちが行きつけの喫茶店に行くと(普通に注文とかするのだけれど、支払い能力あるのだろうかという疑問がわいた)そこの地下室に不思議な絵本があり、ひょんなことで絵本に吸い込まれてしまい、大冒険が始まるという筋です。
その世界には謎のことり(小鳥)さんがいて、ことりさんが、絵本のなかのどのお話の住人なのか、仲間はどこにいるのかをみんなで探してあげるのです。
泣ける展開はラスト10分なのですが、それまでは結構な頻度で笑いがおきます。シュールな笑いがあちこちに散りばめられているのです。
しかもイノッチがとても丁寧に、やさしく突っ込んでくれるものですから、逆にぷぷぷとファンシーな笑いがこぼれてしまうのです。
劇場ではいい大人たちがみんな笑っていました。
ファンシーな笑いとはなんだ? と思われる方は是非劇場で確認してください。私はとんかつのくだりがとにかくツボでした。
ラスト10分の泣きは、ファンシーあなどれないという切なさと優しさがあふれていました。
映画館を満席にしているいい大人たちがハンカチに目頭当てていたり、鼻をすすったりする音が聞こえたりしました。
一見、単純そうなすみっコたちですが、わりと考えて、ものわかりもいいんですよね。そういうところが、大人の心に刺さったのではないかと思うのです。
ただのお子様向けアニメーションではない。製作側の本気を見させていただきました。話がとてもよくできていましたし、それぞれのキャラクターも活きていて1回見ただけで全てのキャラの区別がつくようになり、個性もわかるようになりました。もちろんお子様にも見せてあげたいですが、大人も見ましょう。
大人になって他人に対する思いやりの心を忘れてしまい、薄汚れてしまったドロドロな血の色が、すーっと透明になっていくような気持ちになっていく。そんな純粋な気持ちを思いおこすことができました。
すみっコのみんなも絵本の住人たちもみんなやさしいんです。だれかのために一生懸命なんです。話は単純なのかもしれませんが、だからこそひねりもなく自然に感情が揺さぶられるのだと思うのです。
ちなみにすみっコぐらしは2019年の日本キャラクター大賞に選ばれてもいました。そんなに人気なの? どうして人気なの? と思っていましたが、この映画を見たら、それもわかるようになりました。
しぼう99パーセントのとんかつのはしっこは、残してしまいますけれど。
【ネタバレはなしですが、公式で発表されているすみっコたちのキャラ設定には触れています。ご了承ください。予備知識なしで見たい方はそういう意味でネタバレになるので、この先読まないことをお勧めします】
すみっコぐらしとはなんだ? まずはそこから入らなくてはならない。なにせなんの予備知識もないのに鑑賞したのですから。
子供より大人が見て泣ける映画と評判で、映画興行成績も数ある話題作のなかにおいて2位に食い込んでいるという。上映館が少ないのに平日も大入り満員でロングランを続けています。
実際私も平日の昼間に見に行きましたが、満席のほとんどが大人で、子供(親子連れ)がほとんど見当たらず、若いカップルのほうが多かったかもしれません。
とても気になる。見てみたくもなる。ファンシー雑貨を扱っているサンエックスの人気キャラクターというすみっコぐらし。
その造形は一言で言うとみんな丸い。すみっコぐらしというのはチーム名みたいなものだ。
映画を見て知る。色違いの丸っこいキャラクターたちにはちゃんと個性があり、ちゃんとした自我のあるキャラクターということに。
映画の冒頭でキャラクターそれぞれの解説があります。すみっコたちは一切声を出さないので、解説(ナレーション)をするのは、井ノ原快彦さんと本上まなみさんです。おふたりが優しく語りかけるようにナレーションをしてくれるのです。
イノッチ(井ノ原快彦)がすみっコひとりひとりの説明をしてくれるのですが、すみっコたちのキャラクター設定に顎が地面に落ちるのではなかろうかという衝撃を受けてしまいました。
話の本題に入る前からかなりの衝撃ですが、こんな基本情報はすみっコぐらしファンならすでに通り過ぎた、単なる事実でしかないのだと思います。しかし初心者には驚きの連続でした。これは予備知識がないがゆえに面白かったとしか言いようがありません。
私の推しはとんかつ(の端っこ)です。いきなりおにく1パーセントしぼう99パーセントと言われては「そんなトンカツ屋行きたかないよ!」と叫びたくもなります。お供はえびふらいのしっぽ。ふたりはいつか誰かに美味しく食べて欲しいと願っているのです。吉田戦車の椎茸(伝染るんです。参照してください)を彷彿とさせる、ファンシーキャラとは思えない設定。これが痺れないでなんだというのか。
たぴおか(の飲み残し)もすみっコにいることを知った日には「あんたたちタピオカだったの?」と大画面に向かって指を差したくなる始末。
寒がりの白クマとか恥ずかしがり屋のネコとか恐竜であることを隠している自称とかげとかぺんぎんと言い張る皿をなくしたなにかとか、からをかぶったにせつむり(つまりなめくじ)とかです。
なんかもう、公式で最初から明らかになっている情報からして初心者は涙目です。それを穏やかな口ぶりでやさしく突っ込むイノッチ。これはもう本筋への期待も膨らむというものです。
さて、本筋ですが、そんなすみっコたちが行きつけの喫茶店に行くと(普通に注文とかするのだけれど、支払い能力あるのだろうかという疑問がわいた)そこの地下室に不思議な絵本があり、ひょんなことで絵本に吸い込まれてしまい、大冒険が始まるという筋です。
その世界には謎のことり(小鳥)さんがいて、ことりさんが、絵本のなかのどのお話の住人なのか、仲間はどこにいるのかをみんなで探してあげるのです。
泣ける展開はラスト10分なのですが、それまでは結構な頻度で笑いがおきます。シュールな笑いがあちこちに散りばめられているのです。
しかもイノッチがとても丁寧に、やさしく突っ込んでくれるものですから、逆にぷぷぷとファンシーな笑いがこぼれてしまうのです。
劇場ではいい大人たちがみんな笑っていました。
ファンシーな笑いとはなんだ? と思われる方は是非劇場で確認してください。私はとんかつのくだりがとにかくツボでした。
ラスト10分の泣きは、ファンシーあなどれないという切なさと優しさがあふれていました。
映画館を満席にしているいい大人たちがハンカチに目頭当てていたり、鼻をすすったりする音が聞こえたりしました。
一見、単純そうなすみっコたちですが、わりと考えて、ものわかりもいいんですよね。そういうところが、大人の心に刺さったのではないかと思うのです。
ただのお子様向けアニメーションではない。製作側の本気を見させていただきました。話がとてもよくできていましたし、それぞれのキャラクターも活きていて1回見ただけで全てのキャラの区別がつくようになり、個性もわかるようになりました。もちろんお子様にも見せてあげたいですが、大人も見ましょう。
大人になって他人に対する思いやりの心を忘れてしまい、薄汚れてしまったドロドロな血の色が、すーっと透明になっていくような気持ちになっていく。そんな純粋な気持ちを思いおこすことができました。
すみっコのみんなも絵本の住人たちもみんなやさしいんです。だれかのために一生懸命なんです。話は単純なのかもしれませんが、だからこそひねりもなく自然に感情が揺さぶられるのだと思うのです。
ちなみにすみっコぐらしは2019年の日本キャラクター大賞に選ばれてもいました。そんなに人気なの? どうして人気なの? と思っていましたが、この映画を見たら、それもわかるようになりました。
しぼう99パーセントのとんかつのはしっこは、残してしまいますけれど。