第121話 孤独と疎外感2 ~他圧・無圧~  Bパート

文字数 7,727文字


 終業式も何とか無事に終わり、この後部活で体育館を使うからと言う事もあって、体育館を少しだけでも片付けるために、生徒たちが退館するまでの少しの間、舞台横の控室みたいなところで待機する。
「さっきのは何のつもりですか! 岡本先輩!」
 予想通り私に

声を荒げる雪野さん。
「何の事もどうも私、何か変な事した?」
 優希君にも私の意図がちゃんと伝わったのか、今はずっと嬉しそうにしてくれている。
「何かおかしいって、ワタシはもう降りるんですから放っておいてくださいっ!」
 昨日あれだけ本心と向き合えるようにしたのに、とことんまで世話のかかる後輩だ。
 でもこの生真面目なほどの雪野さんの事を私はやっぱり嫌いになれない。
 優希君との事で色々と思う事はあるけれど、不器用なりにちゃんとまっすぐに活動しているのだ。私は書記で、それを記録しているのだから、雪野さんの言葉を額面通りに取る訳がない。
「私、その事については納得していない。降りる事は認めないって何回も言ってるし、今日教頭先生に談判に行くって言ったよ」
 だから同じ事は二度言わない。
「岡本先輩の耳ってどうなってるんですかっ! さっきの体育館のざわめきは聞こえてなかったんですかっ!」
 そんな訳は無いけれど、別にこっちがやましい事をした訳じゃ無いんだから、聞こえてはいても、聞く必要のない事だ。
「冬ちゃんは、愛先輩や副会長の気持ちを何にも分かってない」
 私が懸念している事のうちの一つを理解してくれているであろう、いや、倉本君の気持ちを汲もうとしているのかもしれない彩風さんが、バッサリと切り捨ててしまう。
「何が分かってないですか! ワタシの気持ちを分かろうともしない人にワタシの何が分かるんですかっ!」
 そして後輩二人がにらみ合う形になってしまう。
「私、雪野さんの気持ち分かっていない? 昨日は雪野さんも納得してくれたんじゃないの? それにさっきの体育館のざわめきと言うのなら、どう考えても続けた方が良いんじゃないの?」
 昨日の倉本君の話からしてもそうなるはずなのに。それでも雪野さんから私に向けられる厳しい視線は変わらない。
「雪野。昨日も言った通り、今辞めたからと言って状況が良くなるわけじゃない。それだと雪野が後悔するだけだ。そしてそれは回りまわって俺の責任にもなって来る。もちろん責任だけでって言う冷たい話をするつもりはないが。それでも、このまま雪野が辞めて後悔したら、統括会の理念にも関わる話になって来る。それを踏まえた上での話なんだが、どうしても納得できないのなら、俺の為にって事で続ける気になってくれないか?」
「全部とはもちろん言えないけど、雪野さんの気持ち、僕にはわかるよ。分かるからこそ聞くけど、統括会を降りたら今、雪野さんが感じている“吐きそうな”程の、“気が触れそうな”程の、疎外感とか、孤独感は消えて、自分が安心できる?」
 いつまでたっても膠着状態のままでいる訳にはいかないからなのか、倉本君と優希君がそれぞれ雪野さんのフォローに入る。
 その倉本君の言葉の中に何か思う所があったのか、彩風さんがショックを受けているけれど、こっちもそれどころじゃ無かったりする。
 雪野さんが降りて、私も懸念している孤立と言うのはよく分かる。そしてその孤立から生まれて来る孤独と言うのもよく分かる。それが私の反対する知の理由の一つでもあるからだ。
 だけれどそれだけしか分からないのだ。疎外感と言うのは今辞めた方が大きくなるし、強くなるもんじゃないのか。
 そのはずなのに、今の優希君の言い方だと今、この輪の中にいるから

その疎外感を感じているようにしか聞こえない。
 つまり今現在も雪野さんが疎外感を感じていると言う事で、私にはそれが全く理解できない。
 それだけでも私の中は大変なことになっているのに、その感情が“泣きそう”だとか“寂しい”なんかの行動と言うか、心情・気持ちの現れだと言うのなら分かるのに、“吐きそう”だとか“気が触れそう”だと言うのが分からない。
「昨日も言いましたけれど、ワタシは空木先輩がそばにいて下されば元気になれます」
 なのに私の戸惑いや不安なんてお構いなく二人での会話がちゃんと成立している。
 二人の間でごく普通の会話を繰り広げていて、分かり合えている雰囲気。
 だけれど、目の前で聞いている私には全く分からない。優珠希ちゃんを除けばこの学校の中で一番優希君の事を理解しているはずの私には、何の会話をしているのか全く分からない。ただ分かるのはこれは誰がどうこう言う話じゃない事だけだ。
 そんな事が分かったところで、優希君の上辺だけしか理解できていないと改めて突き付けられた気がして、どうしても気分が落ちてしまう。
 もうこんな気持ちでさっき穂高先生から聞いた、中学期頭にある私と教頭先生との話なんて出来る雰囲気じゃない。
 それにこの状態で私が喋っても、ちゃんと伝えられない気がする。
「……」
「……愛先輩。前からの約束でずっと延び延びになっていた女子会、今日やりませんか? 明日からは休みですし、今日くらい良いと思いませんか?」
 私の事を(おもんばか)ってくれたのか、彩風さんが気分転換を提案してくれる。
 もちろんその気持ち自体は嬉しいのだけれど、今の分からない会話の事が気になって楽しめないかも知れないし、目の前に雪野さんがいるのに私だけに声を掛けて、雪野さんを放っておくって言うのもなんか違う気がする。
 それに私は今日の放課後、私より若い後輩に対して私から文句を言わないといけないのだ。
「副会長と放課後デートですか?」
 私の視線が困ったような表情を浮かべる優希君に向いて察してくれたのだろうけれど、そんなに甘い話じゃない。
「……彩風さん。放課後の間15分で良いから愛美さんを貸してもらえないかな?」
 雪野さんだけじゃなくて、私の迷いも分かってくれる優希君が助け舟を出してくれる。
 確かに断るだけならそれだけ時間があったら十分かも知れない。
「分かりました。15分で何をするのかは分かりませんが、それは後から愛先輩に細かく伺うとして、終わったら改めて集合時間と場所を決めるので連絡ください」
 彩風さんが息荒く話を進めてくれるけれど、
「愛美さん。今日携帯を忘れて来てるから、用事が終わったら僕の方から彩風さんに連絡を入れるよ」
 何でこんな日に限って携帯を忘れて来るのか。なぜか嬉しそうにしている優希君に抗議の視線を送ると同時に、
「副会長もすっかり愛先輩の旦那様ですね」
 彩風さんからも、エールの意味もあるのだろう、とんでもなく恥ずかしい言葉を貰う。
「ちょっと霧ちゃん! 学校内でそう言うのは辞めて下さい――空木先輩! そろそろワタシたちも片付けて教室に戻りましょう」
 彩風さんの言葉に、隠さず不満の表情を浮かべた雪野さんが、何を思い浮かべたのかは知らないけれど、だらしのない表情を浮かべた優希君の腕を取って出て行ってしまう。
「岡本さんも、雪野の事と言い、俺の事と言い、ありがとうな」
「ありがとうって私、倉本君に何かしたっけ?」
 彩風さんに助言して、後は優希君と雪野さんの会話で一杯になっていたはずだけれど。
「もらった原稿用紙の事もそうだし、岡本さんが自分の気持ちに蓋をしてまで俺の話を聞こうとしてくれたのが嬉しくてな。それだけで俺も元気を貰えたからありがとう岡本さん」
 いや、それは別に倉本君に言った訳じゃ無くて、彩風さんに男女の考え方と言うか、思考の違いを言っただけなのに、どうして私に感謝の気持ちが向いてしまうのか。
 この事が蒼ちゃんにバレたらまたお説教を貰う気がする。
「いや、私よりもずっとそばで見てくれていた彩風さんの方が絶対感謝すべきだと思うんだけれど」
 それを避けたかった私が、何とか彩風さんの努力と言うのか、想いに目を向けてもらおうと口にしたはずなのに、
「岡本さんって、本当に今時流行らないくらい謙虚で奥ゆかしいよな。その上でちょっと抜けていてほっとけない。まさに男の俺らからしたら岡本さんって理想の女子だよな」
 優希君がいないからか、彩風さんがいるにもかかわらず、私に対して失礼な言葉を混ぜつつグイグイ迫って来る倉本君。
「あのね倉本君。私は倉本君が思っているような女の子じゃないよ? 私だって腹立ったら手や足も出るし、謙虚だなんて事も無いよ? それに私にはもう優希君がいるんだから、いくら私の事を良く想ってくれても――?!?!」
「――今は甘んじて受け入れるけど、一度で良いから俺とデ――」
「――清くん! ここでずっと喋ってても良いの? 二人だけで先に片付けさせても良いの?――愛先輩。今日の女子会は絶対出席して下さいね」
 何とかして倉本君の誘いを断ろうと口上を立てたところで、私の手を包み込んでくる倉本君。
 こんなところ優希君に見られたら怒られるに決まっている。その上、今は蒼ちゃんもいないからか、更に押し込んでくる倉本君に、私がもうどうしたら良いのかと目を回しかけたところで、彩風さんが助けてくれる。
 ……蒼ちゃんみたいな事を言いながら。まあでも雪野さんとの仲直りや友達になる事の説得をする事を思えば、この方が都合が良いと思い直す事にする。
 結局先生方も一緒に体育館の後片付けをしたからか、さほど時間がかかる事も無かったし、担任の巻本先生も待たせることも無く職員室に顔を出すことが出来た。


「そう言えば夕摘から夏季講習の話が来ないんだが、やっぱり予備校の方に行ったんじゃないのか?」
 夏季休暇の課題らしき段ボール箱を持った先生が私に聞いてくる。
「今日は統括会やらで、中々話をする時間が取れませんでしたが、そんな事は無いはずです」
 昨日咲夜さんに電話して、そのまま実祝さんに言伝をしてくれるって言う話だったのに。
 咲夜さんが連絡をしないって言う可能性はもう無いと思うからそこを除外するとして……あ。
 ひょっとして今朝の件が尾を引いて、まだ言い出せていないのかもしれない。
「先生にこの後何もなければなんですけれど、夕摘さんに話を放課後に少し聞いてみてくれませんか? 多分そうしたら夕摘さんも言えると思うんですけれど、タイムリミットの今朝を超えているのでさすがに無理ですか?」
 これも夏季休暇の課題なのかは分からないけれど、私は小さい手提げの方の紙袋を申し訳程度に二つほど持たせてもらっている。
「いや、どこコースも若干の人数の空きと言うか、教室の都合上まだ席はあるから別に大丈夫だが、岡本……余計な……いや。何でもない。分かった。この後の終礼の後に少し聞いてみる事にするな」
 私の返事にはなっていなかったけれど、言いかけた言葉を飲み込んで、私のお願いを聞いてくれる。
「先生……ありがとうございますっ」
 最近の先生はどう言う訳か、いや私への気持ちと先生の理想とする先生になるためにたくさん力を貸してもらっている気がする。それでも嫌な顔一つしない先生に心からのお礼を口にすると、
「……」
 また先生が私の顔を立ち止まって見る。
「……先生?」
 さすがに私にもわかり始めている。これだけ色々な人に言われて、いつも同じようなタイミングでみんなが驚くのだから、それは私の笑顔の力なんだって。人によってどう言う気持ちになるのかまでは分からないけれど、少なくとも優希君は好きだって言ってくれた私の笑顔。だったら私は自信を持っても良いのかもしれない。
「早くしないと、みんな待ってますって」
 私はもう一度先生に笑顔を向けて、一人先に教室へと向かう。


 夏季休暇の課題が入っているのだとは思うのだけれど、結局何がどれだけあるのかは分からないまま、教卓の上に大きな段ボール箱と紙袋を積んだ状態での初学期最後の終礼が始まる。
「まずは初学期も色々あったけれど、ご苦労さん」
 だけれど、あまりにも大きすぎる段ボール箱に目と言うか意識が行きすぎていて、夏季休暇と言う雰囲気には程遠い。
「何だ? お前らいつもみたいに浮かれないのか?」
 腐ってはいても受験生。何があったとしても意識の行く場所なんて一つしかない。こっそり先に何が入っているのか先生に聞いておくべきだったかなと思うも後の祭り。今更どうにもならない。聞いた所でもどうにもならないけれど。
 それを分かってか先生も嬉しそうに笑う。だけれど段ボールの中身が気になり過ぎて誰も先生に軽口を返さない。
「そしたらまずは連絡事項から行くからなー」
 そして先生からのこの夏季休暇の注意事項と言うか、連絡事項が伝えられていく。
 その主な連絡事項は主に6つ。
 ①成績表は8月3日(月曜日)の登校日に渡すとの事。なお、推薦に関してはこの成績表が大きく影響するとの事。
 ②夏季講習の期間は7/27(月)~7/31(金)・8/4(火)~8/7(金)・8/17(月)~8/21(金)つまりお盆を除く、
 月曜日から金曜日までの5日間が基本。学校がある週だけは4日間となる事。
 ③8/24(月)がその習熟度テスト。そのテスト結果は中学期頭に個人的に渡すとの事。
 ④夏休み中の部活に関しては、園芸部以外は普段通りだと言う事、なお食堂もお盆以外の平日には夏季講習の事もあるから開けているとの事。
 ⑤中学期の9/4(金)に『健康診断』が行われる旨の連絡事項が伝えられる。
 ただ『健康診断』の話が出た時、男子が浮足立ったような気がするのと共に、先生からの久しぶりの視線を貰う。
 本当に男って言うのはいつまでたっても進歩も学習もないのか。あまりにも分かり易すぎる下心に対して、先生に半眼を返す。
 ……優希君なら大丈夫だよね。いや、デートの時や私への視線の事を思い出すと一度探りくらいは入れた方が良いかもしれない。
 そして最後、
 ⑥中学期頭に2回目の校内学力テストを実施する旨と、始業式の日から授業はあるから、お昼の用意はしてくるようにとの事
 の合計6項目の連絡事項が伝えられる。
「それじゃあ最後に、最後に夏季課題を渡して解散にするからなー」
 先生のかけ事共に、一番気になる単語を口にする先生。その先生の手が紙袋に伸びた瞬間教室の空気が弛緩する。
「そうそう、課題はカバンの中に入れることを考慮して、軽くて小さい物から渡していくから、順番通りに机の上に重ねておいて行けよー」

 初め、先生の言っている意味が分からなかったのだけれど、上から順番に数学の問題集2冊と、それ用のノート。
 その上に英語の問題集が3冊。そして国語に関しては綴じ込まれたA4のプリントの束。そしてやたら分厚く綴じ込まれた冊子状になった理科のA4のプリント。そして社会も2冊の問題集……まぁ、地理と歴史の(ぶん)かなんかだとは思うけれど。
 目の前に積まれた問題集の束を見て、さすがに受験生の夏休み。図書館デートが多くなりそうだとさすがにため息をついていると、
「ちなみに校内学力テストは半分くらいは今渡した課題の中から出題予定だから、誰かのを丸写しをしようなんて考えたら、休み明けに泣きを見る事になるからさぼるなよー」
 更なる追い打ちをかけられる。
「それじゃ次回8月3日(月曜日)。みんなの元気な顔を見られる事を楽しみにしてるからなー。それじゃ解散! 後、夕摘! 俺に少しだけ時間をくれ」


 先生の号令と共に夏休みに入るけれど、この量と夏期講習の事も考えると登校日までに終わらせることは無理かもしれない。私はため息をつきながら確かにカバンの中に入れやすかった課題をカバンの中に入れ終えたところで、
「空木君が迎えに来るから待っててって」
 咲夜さんに朝の“呼び出し”の事について聞こうと席を立った瞬間に、蒼ちゃんが優希君との連絡を教えてくれる。
「そう言えば今日この後、蒼ちゃん時間あるかな?」
 咲夜さんグループと一緒に教室を出て行く咲夜さんを見送る形で、結局昼に続いてこの時間も、咲夜さんに聞く事は出来なかったなと歯噛みしたところで、さっき彩風さんに誘われた女子会の話を思い出す。
 これは蒼ちゃんも楽しみにしてくれていたはずだけれど、ちょっと急すぎるかもしれない。
「今日はもう大丈夫だけど、どうしたの?」
 だから優希君が来てくれる前に、先にお伺いだけでも立てようと声を掛ける。
「今日ね。この後、彩風さんや中条さんと女子会をするんだけれど、蒼ちゃんもどうかなって思って」
 昨日から泊ってもらってずっと一緒にいる事になるけれど、蒼ちゃんと四六時中一緒にいる事になる分には私は歓迎なのだ。
「蒼依は大丈夫だよ。それに理っちゃんには話したい事もあるし」
 急な誘いに大丈夫かなとも思ったけれど、何とか約束を取り付けたところで、
「お待たせ愛美さん」
 優希君が顔を出してくれる。

 蒼ちゃんに終わったら教室に戻ってくる旨を伝えて、優希君とその若いだけの後輩女子との待ち合わせに向かう道中。
 よく考えたら、彼女だからって好きな人が告白される現場に私が同伴するのはやり過ぎじゃないかなと思いながら部活用四階の踊り場へと足を向ける。

「私やっぱりここで待ってる」
 迷いながら部活棟へ差し掛かったところで、私は足を止める。
「どうかした? 何か怒ってる?」
 さっきまでと反対の事を口にしているわけだから、優希君が戸惑うのは分かる。
「怒ってはいないよ。ただ女の子にとって告白ってやっぱり大きいイベントだし、それが初めてなら一生残るものだから、結果は駄目でも良い思い出にはして欲しいから」
 咲夜さんの事を考えると、焦る気持ちもやっぱり湧き上がって来るけれど、どうしたって私は女だから、若いだけの後輩だったとしても、今日振り絞る勇気は分かるつもりだ。
 だったら私は優希君を信じて、無粋な真似はしないで待つべきな気がする。
「じゃあ10分経っても戻って来なかったら来てよ。その時は僕も断り切れてないって事だから、愛美さんに助けて欲しい」
 私の気持ちをどう取ってくれたのか、私の頭をポンポンと撫でてくれた後、違う提案をしてくれる。
「じゃあ10分はここで待って、4階だね。でも、今日は私の友達でも何でもないから優しくするとか、その子に触れるとかは嫌だよ」
 もう、一年女子が待っているであろう四階を見上げながら優希君にお願いをする。
「分かった。じゃあ行って来るから」
 そしてあまり余計な事を言って、“女心は秋の空”私の気持ちが変わってもいけないし、相手を待たせる訳にもいかないからと、部活棟入り口で優希君を見送る。

―――――――――――――――――次回予告―――――――――――――――――
           「僕の心臓の音、聞いて貰えた?」
             誰が聞いた心臓の音なのか
          「また副会長に別の女の影ですか?」
           つまり心臓の音を聞いたのは……?
      「そう言えば彩風。あれから会長に素直になったか?」
              女子会の時の会話

         『咲夜さん。私の事、信じられない?』

           122話 乙女心 ~好きの先へ~
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