第7話
文字数 214文字
「今日のところはこれで勘弁してやる」
釣竿を受け取った若者たちは、又郎と亀を残し、立ち去っていきました。
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
深々と首をもたげる亀に対し、又郎はにっこりと微笑みかけます。
「いやいや、礼をいうのはこっちのほうだ。亀の甲羅は高く売れる。そうだな。これくらいの大きさだと、安く見積もっても二両は下らんだろう」
怯える亀を持ち上げ、又郎は鼻歌交じりに家路につきましたとさ。
めでたし、めでたし。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)