第24話

文字数 276文字

「もしかして、中は空なんじゃ」
 振っても音がしないし、重さもほとんどありません。又郎は以前から玉手箱の中身が空っぽではないかと疑っていました。
「だったらいっそのこと」
 ついに箱を開ける決意をしました。
 しかし、どうしても乙姫との約束を破りたくない又郎は、あるアイデアを思いつきます。
「そうだ。ふたを閉じたまま、箱に穴を開けよう。これなら、ふたを開けたことにはなるまい」
 ホームセンターで小型のドリルを用意した又郎は、玉手箱の横に穴を開けました……。
 翌日。レントゲン室に入った看護師は、又郎によく似た老人の死体を発見しましたとさ。
 めでたし、めでたし。
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