第6話

文字数 246文字

 五人の若者は一斉に飛びかかりました。
 又郎は手持ちの釣竿を差し出し、「これで見逃してはくれまいか」と頭を下げました。
「今日のところはこれで勘弁してやる」
 釣竿を受け取った若者たちは、又郎と亀を残し、立ち去っていきました。
「クー、クー」
 どこからか聞きなれない響きがしました。
 耳を澄ませながら周りを見渡すと、何とそれは亀から発せられたものでした。
「クー、クー、ク―」
 亀は何やら訴えかけているようでしたが、又郎には全く理解できず、亀を放置して浜を去っていきましたとさ。
 めでたし、めでたし。
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