第5話
文字数 449文字
「バレたからには仕方ねえ。お前ら、こいつもやっちまえ!」
五人の若者は一斉に飛びかかりました。
が、又郎は怯むことなく、懐に手を入れると、葵の紋がついた紋所を取り出しました。
「ひかえ、ひかえ! この紋所が目に入らぬか。我こそは先の副将軍、水戸光圀であるぞ。皆の者、頭が高い。ひかえおろう!」
「はは~」
若者たちはその場でひれ伏した後、一目散で逃げていきました。
「これにて一件落着」又郎は「かっかっか」と高笑いし、亀に話しかけました。
「亀さん。大丈夫か? もう安心だ」
又郎は亀を海に放すと、海岸の岩場に腰かけ、釣り糸を垂らしました。
しばらくして帰り支度を始めると、いつの間にか、大勢の役人が取り囲んでいました。
「一体どうしたんです?」
訝しがる又郎に応えるように、役人の一人が口を開きました。
「さきほど、黄門様の偽物が現れたとの知らせが入った。まさかお主ではあるまいな?」
又郎は必死で言い訳しましたが、若者たちの証言もあり、あっさり捕らえられ、処刑されてしまいましたとさ。
めでたし、めでたし。
五人の若者は一斉に飛びかかりました。
が、又郎は怯むことなく、懐に手を入れると、葵の紋がついた紋所を取り出しました。
「ひかえ、ひかえ! この紋所が目に入らぬか。我こそは先の副将軍、水戸光圀であるぞ。皆の者、頭が高い。ひかえおろう!」
「はは~」
若者たちはその場でひれ伏した後、一目散で逃げていきました。
「これにて一件落着」又郎は「かっかっか」と高笑いし、亀に話しかけました。
「亀さん。大丈夫か? もう安心だ」
又郎は亀を海に放すと、海岸の岩場に腰かけ、釣り糸を垂らしました。
しばらくして帰り支度を始めると、いつの間にか、大勢の役人が取り囲んでいました。
「一体どうしたんです?」
訝しがる又郎に応えるように、役人の一人が口を開きました。
「さきほど、黄門様の偽物が現れたとの知らせが入った。まさかお主ではあるまいな?」
又郎は必死で言い訳しましたが、若者たちの証言もあり、あっさり捕らえられ、処刑されてしまいましたとさ。
めでたし、めでたし。