第5話の5

文字数 497文字

恐らく彼が創りあけたこの海に獄む種々の生物群は多数、死に絶えてしまうだろう。
しかし生物群を失うこと以上に、フネに対する憎悪は深い。
それは、フネは主の理解を越え、さらに主の影響力を受けない地球上唯一のものだったからだ。

ポラリス・ミサイルが目標をはずすわけはない。
フネは海面上に漂う唯一無二の存在だった。大きさは小さな島に相当する。
閃光が走った。

音が響いている。
キノコ雲が湧き上がっていた。
フネのまわりの海は一瞬のうちに水蒸気となる。
熱風が吹き荒れる。
シュクセイキ以後の地球にかこった最も大きなエネルギーの開放だった。

フネのまわりを遊戈していたエンタープライズはその塔敵機と共に消滅していた。
さすがのフネも大きな損傷を受けていた。しかし全面崩壊はしていない。

だが表皮はまっ赤になって燃えあがり、あるいは内に包みとかようにはがれめぐりあがっている。盾所にひび割れすらかとってい
た。
フネは爆発の瞬間、意識を失った。
一瞬、主に対する憎悪の念が浮かび、それが増大され残った。
爆心地へ、海水が消滅した空間へ、海水がなだれこむ。海底までも核爆弾はえぐり取っていた。
そこにフネは横だわっていた。
普段の威光はない。
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