第4話の2

文字数 456文字

黒き破壊指令だ。

『ム=ウム、近い内にお前はフネに、収容されるはずだ。その中に入ったらフネを破壊するのだ。
それが、お前、ひいてはお前の種族が繁殖してきた意味、今まで存在してきた価値だ。フネに入り込み、破壊せよ。それが私「主(しゅ)」の命令だ』
主?
この言葉は、今まで彼が生存してきた禁制地域の中で、ムの頭の中に刻み込まれたのである。
彼は思い起こす。
あの日、ム=ウムは、自分が一族の禁忌を破って、その地域に入ったのか、自分ではわからなかった。
 ム=ウムの心の奥に,何か呼ぶ声がしたのだ。
ムはその声に操られ、音識が混濁状態で禁制地域に足を踏み入れたのだった。
 禁制地域はム=ウムの付落とまったく異たっていた。
そこには一種独特の異様な雰囲気があった。何かしら、人間が建設し、作りあげた廃墟の様か。

しかしながら、ム=ウムの一族の力ではとうてい構築不能であった。
 地域の中心部にドーム型の建物が建っており、中にム=ウムは誘われていき、命令を受けたのだった。
運命を背負わされたといっていいだろう。ム=ウムに秘密命令が下ったのだ。
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