22:最後の部屋 その1
文字数 2,277文字
楠木は倒れている時津を起き上がらせました。
一人の子どもがくるみに、もう一人は時津に組み付いてきました。
青白い子どもは組み付こうとしましたが、くるみが避けようとしたため失敗しました。
時津は組み付こうとしてきた子どもを掴んで投げ飛ばし、もう一人にぶつけました。
二人の子どもたちは床に倒れました。
時津、楠木、くるみは倒れている子どもの霊を放置して、慌てて走って部屋から逃げ出しました。
瀬川ともなが 205 号室から出てきたところで丁度、203 号室から時津、楠木、くるみの3人が部屋から飛び出してきました。
くるみはバタンッと 203 号室の扉を閉めました。扉の向こうからは何の音もしません。
もなは 205 号室の日記帳を時津、楠木、くるみの3人に見せました。
時津は気を落ち着けて冷静になって考えてみても、写真に映っていた学生がかぶっていた帽子と瓜二つだということがハッキリと分かります。
時津は部屋の中で起こったことを瀬川ともなに話しました。
時津は 203 号室に聞き耳を立て、中の様子を伺ってみます。
すると中から微かに足音のようなものが聞こえました。
時津は 203 号室のドアノブをそっと押さえました。
楠木、瀬川、くるみの3人は 206 号室に聞き耳を立てます。
中からは何も聞こえてこなかったので、206 号室に入ることにしました。
タケルとすみれは時津と一緒に 203 号室の前に残ることにしました。
206 号室に入ると、内装は今までの部屋と同じであり、時間の経過によってボロボロの状態でした。
しかしそこには、大きな黒いキャリーケースがありました。
くるみは何か無いか探してみますが、特にめぼしいものは見付けられませんでした。
しかし、瀬川ともなは、テーブルの下に一枚のメモと、タグが付いておらずどこの部屋のものか分からないカギを発見しました。