16:白骨 その2
文字数 2,356文字
あなたたちは1階のトイレへ向かうことにしました。
トイレは左手が男子トイレ、右手が男子トイレという造りになっています。
男子トイレへは楠木と瀬川、女子トイレへは時津が入ることになりました。くるみともな、タケルとすみれは外に残ることになりました。
時津はドアに耳を当てて内部に聞き耳を立てます。
三人とも、トイレの中からは何も音が聞こえませんでした。
ほぼ同じタイミングで、時津は女子トイレの中へ、楠木も男子トイレの中へ入っていきました。くるみと瀬川はそれぞれ、女子トイレと男子トイレの入り口のドアを押さえています。
女子トイレの内部は特に怪しいところのない普通のトイレでした。ボロボロで水は出ません。
男子トイレもボロボロで埃っぽく、水も出ないようです。
個室のドアは二つあり、手前側のドアは壊れていますが、奥側のドアは壊れておらず閉まっています。
楠木は何か物音がしないか聞き耳を立てましたが、過度の緊張の為か自分の心臓の音が大きすぎて何も聞こえませんでした。
瀬川はドアを押さえるのをタケルに任せ、男子トイレの中に入りました。閉まっている個室のドアに対して聞き耳を立てます。
瀬川が灯りを照らしながら、楠木はドアを開けました。
そこには大量の骨が落ちていました。
天井からはロープがぶら下がっています。
瀬川は「これは何だろう」と不思議に思いましたが、楠木はハッキリと気が付いてしまいました。
下に落ちている骨は、ロープで首を吊って死んでしまった人たちの骨であることに。
突然目の色が変わった楠木が瀬川に近寄ってきます。
瀬川は楠木の肩を揺すって「落ち着け、大丈夫だ」と繰り返すと、楠木はハッと正気を取り戻しました。