25:宴会場 その1
文字数 2,907文字
相談を終えたあなたたちは宴会場へ向かうことにしました。
その途中、タケルは大変気分が悪そうに壁に寄り掛かってしまいました。フラフラの状態でその場に座り込んでしまいました。
あなたたちはタケルとすみれを廊下に置いて、宴会場の前にやって来ました。
宴会場の前には「現在貸切」という立て札が立っています。扉には赤色の何かで魔法陣のようなものが描かれ、後から無理矢理付けたであろう不似合いな錠前がかけてあります。
見たままの魔法陣のようなものが撮れました。
鍵を鍵穴に差し込んでみると回せそうです。
もなは鍵穴から鍵を抜きました。
もなは鍵を挿すために扉の近くにいたため、宴会場内部の音が聞こえてきました。
内部からは楽しそうな笑い声や、食器を動かす音など、大人数がどんちゃん騒ぎしている音が聞こえます。
時津とくるみはもなの顔を見て「ああ、何か聞こえたんだろうな」と察しました。
時津、くるみ、瀬川の3人は男湯からペンキの入った一斗缶を3つ持ってきました。
もなは錠前の鍵穴を回し、素早くパッと離れました。
錠前は床に落ちましたが、扉は閉まった状態です。
内部に変化はないか耳を澄ませてみると、まだワイワイと楽しそうな大人数の声が聞こえてきます。
瀬川は宴会場の扉を開きました。
宴会場は、これまで見てきたどの部屋よりもひどく荒れています。足の踏み場がなく、歩くのだけでも一苦労です。
あなたたちが宴会場の中に入ると同時に、背後でバターンッと扉が閉まりました。開けようとしても一切開きません。
もなは恐怖によって怯えているだけです。それが何であるかについては気が付くことはありませんでした。
ブレずにしっかりと写真が撮れましたが、荒れた状況がそのまま写っているだけでした。
宴会場の隅にはテレビがあり、そこには何やら白いものが映っていることに気が付きました。
瀬川とくるみがよく見てみると、その白いものは、ステージの奥に座っているような状態で映り込んでいるのだと気が付きました。
瀬川は白いものを照らし、くるみは一斗缶を抱え、その白いものにジリジリと摺り足で近付いていきます。みんなもくるみに続いて近付いていきます。
白いものの正体は、白骨化した遺体でした。