20:プレゼント その2
文字数 2,422文字
箱の中にはスマートフォンが入っていました。
それは新品でしたが、少し前に発売されたものであり、現在はこの機種を使っている人はあまり見掛けません。
瀬川は、この機種は5年前に流行したものであることを思い出しました。
何も異変は起こっていないだろうという雰囲気を感じ取り、もなとくるみは目を開けました。
時津はスマートフォンの電源を入れようとしてみたところ、充電が無いのか起動することができませんでした。
時津はスマートフォンの背面パネルを外してみました。SDカードなどは本体にささっておらず、箱の中にありました。
くるみは箱をマジマジと見てみますが、メッセージカードなどは付いていませんでした。
時津はスマートフォンを箱に戻して持っていくことにしました。
あなたたちが部屋から出ようとしたところ、部屋の中から男女のすすり泣くような声が聞こえてきました。
もなは部屋から飛び出ましたが、瀬川と時津とくるみは部屋の中を振り返りました。
そこには、何もいませんでした。
瀬川は手ブレのない写真を撮ることに成功しました。
その写真には、部屋の真ん中にあるテーブルに老夫婦が写っていました。
あなたたちは部屋の中で起こったことをもなに説明しました。
瀬川はバッグからデジタルカメラを取り出してもなに押し付けます。
もなはデジタルカメラを受け取りました。
3人が部屋から出てきたのが見え、楠木は廊下を走って近付きました。
瀬川は楠木に状況を説明しました。
もなは写真を撮るために 201 号室に向かいます。もなにくるみもついていきます。
もなと瀬川は室内の写真を撮りました。
瀬川は写真撮影に成功しましたが、もなは強がっていたらしく、手が震えて写真を上手く撮ることができませんでした。
写真に写っているのは、目に映っている光景そのままでした。
もなはタケルとすみれに 202 号室で写ってしまった老夫婦の写真を見せました。
タケルくんの顔色が一気に悪くなっていきます。
すみれは誰だかよく分かっていない様子でしたが、タケルはとても混乱しているようです。
時津はタケルに 202 号室にあったスマートフォンを見せます。
時津はタケルとすみれに尋ねました。